オルキリア元ちきーた

オールド・ボーイのオルキリア元ちきーたのレビュー・感想・評価

オールド・ボーイ(2003年製作の映画)
1.0
前知識無しに鑑賞した私が悪かったのか
そもそもの作り方が私に合わなかったのか

揃いも揃ってスネに傷持つ連中が
誰かに責任を擦りつけたくて
更に深い闇に突き落としたいが為に
蠢いているのに

そこを掘り下げてないから話が断片的で
ただただバイオレンスに突っ走っている様にしか見えなくて
本当は計算づくな筈なのに
場当たり的、ご都合主義に見えてしまって
作品のクオリティとして後味が悪い。

原作でもハマって読んでいればまだ分かったのかも知れないが
冒頭の酔っ払って警察のトラ箱対応のシーンは無駄に長過ぎる割には
あのシーンだけで主人公の「監禁されるキャラクター」を推し量る事は出来ない。
ただ娘を溺愛してる気のいいオッさんとしか見えない。

その後の長年の監禁状態の展開も
自殺しようとリストカットしたり
自責の遺書を書き続けている割には
復讐と脱出を試みようとする流れに
混乱は読み取れても伏線が弱過ぎて
主人公に感情移入が全く出来ず
かといってサブキャラも殆ど背景が分からず、何を見せられているのか戸惑う内に
アウトレイジ的なバイオレンスに突入してしまう。

後催眠?催眠ガス?
そこまで徹底的に謎を明かさないまま
暴力シーンを見せつけられているのに
最後には人としてタブーを犯したその一点を突破口に破滅へとブレイクしていくには
みんながモラルもない悪者過ぎる。

家族や姉弟への強い絆(この単語は嫌いだがこの場合相応しい気もする)と
その絆によって自滅していく人達を描くには、前半から中盤の展開の悪行の過激さは
むしろ蛇足に思えるのは
韓流作品鑑賞経験の浅い私の問題だろうか。

こんだけ血生臭い展開にしておいて
人間的倫理観のモラルを
今更そこで持ち出すの?!という
もうファンタジーにしか見えない結末が
どうにもこうにも消化しきれなかった。