このレビューはネタバレを含みます
・あらすじ
地震と核のゴミによって人々の体中に嚢胞があるのが当たり前と化した世紀末、狂気に呑まれた者達と化け物達が悪夢の世界を繰り広げていく…
というナンセンスホラー
・鑑賞理由
ヒップホップを下敷きに大胆にジャズと電子音楽の要素を取り入れた作風で人気を博すビートメイカー、Flying Lotusの監督作品でひたすら下劣で気持ち悪い世界観という評判から興味があって鑑賞
・感想
エロ、グロ、そして汚物に満ち溢れた荒唐無稽な映像世界は想像以上に強烈
そしてコロコロと登場人物が変わるツギハギな構成も理解不能でとにかく何も分からないけど何か凄い
特殊メイクやコラージュ、CGを駆使して作り上げられた奇妙でしかないビジュアルや描写と話に軸も繋がりもまともに無いツギハギな編集が組み合わさった唯一無二の作風には不気味なCGアニメーションとミニマルでキャッチーな音楽を絡めた作風で知られるYouTubeで活動する映像作家、Cyriakの作品を極限まで下品にした様な印象を受けた
真面目に話を追おうとするだけ無駄な作品なので感想は描写についてを中心に書いていく
印象的だったのは
・嚢胞に侵されたカップル、ミッシーとケニーの首絞めプレイ
・川を泳ぐ鶏の丸焼きの様な姿の生物とそれに勃起する青年
・不潔で異様な雰囲気の日本人女性が赤ちゃんをあやす様に喋り続けたりゴキブリを食べたりする
・恐怖や不安を克服するという医師、ドクター・クリントンがおっぱい恐怖症の男性に施す肛門から出て来る寄生虫、ミスター・クイグルの脚を千切って体液を飲ませるという治療法
・テレビで流れる異様な言葉しか出て来ないクイズ番組、女性による嘔吐ぶっかけ、女性達が視聴者を乱交に誘うCM
・妊婦のへサニーから異次元の怪物であるカゾとマズが胎児を摘出し彼女がそれをパイプにして草を吸う
・へサニーを妊娠させた男がトイレから顔を出す
・度々出て来る森の化け物の口の中に住む男性にデキモノだらけの少年が犬の糞などを塗りつける
・その少年が黒い蛆虫スープや蛆虫と眼球のスープを食わされる
・ケニーがミッシーの体に出来た喋る人面瘡をファックし、その人面瘡に“ロイヤル”と名付ける
などなど…
ほとんどがどうやったらそんなん思い付くんだ…という描写になっていて合間に挟まれるコラージュ映像はそれ以上にめちゃくちゃでやたらとおっぱいがモチーフとして濫用されている世界観はもうエロの一線を遥かに通り越した奇天烈さで凄かった
・総括
奇妙で気持ち悪く汚く下品な画が幻覚剤のODによるバッドトリップの様な独特な映像で表現されている個性の塊みたいな世界観はかなり人を選ぶと思うけどかなり長めのミュージックビデオと思えば悪くない
何でも良いから汚い映画が観たい！っていう時にはぴったりだと思う
あと音楽はFlying Lotusらしさ全開で最高なので彼の楽曲が好きならそこは楽しめるはず
とはいえ少なくとも元日に観る映画ではなかったかな…w
