(--ii--) 死者数33人、負傷者数13人、移動距離18948.0kmの誘拐劇?
~リーアム・ニーソン役者人生の分岐点的作品~
“元○○”という肩書にすごく憧れている自分がいる(笑)
例えば、ビジネス書とかフォーラムの登壇者とか“元○○”という肩書が使われる場合、○○の中には国内外の超有名企業や権威のある組織名が入るのが通例で、はくをつけるにはもってこいのキャッチフレーズ。
“おお!○○にいたんだぁ!すごいなあ、話聞いてみたいわ”ってなる。
話戻すと、“元CIA”って肩書がしっくりくる俳優は(戻してないな笑)、
・リーアム・ニーソン(本作の主役)
・デンゼル・ワシントン(イコライザー等)
が双璧。
そういう役の映画に出てるので、単に自分が刷り込まれているだけなんだけど笑、これが、シュワちゃんとかスタローンとかになると、“元特殊部隊”とか“元グリンベレー”になってしまい系統が違う。
“元CIA”って、単に筋骨隆々じゃなく、なんとなく情報戦にも強いインテリジェンスな側面を持ってないといけないイメージがある。
ちなみに、トム・クルーズのイメージは元じゃなくて“今工作員”笑
“元CIA諜報員”が書いたという本を読んだことがある。
自分の描いてたCIAのイメージって、当たらずといえども遠からずで、CIA諜報員の主な仕事って基本情報戦らしい。
訓練は心身ともにめちゃくちゃ厳しいことやらされるらしいのだけど、実践は他国の情報をいかに引き出すかという、情報屋とのコミュニケーションに終始する、すごーく地味な仕事だそう(裏では厳し目の、もっと違うことやってるかもしれませんが^^;)
そういう点で、リーアム・ニーソン扮する“元CIA”のブライアンは、まさにそういう地味さがにじみ出ているキャラで、うまいキャスティングしたなぁと感心。
やっぱ、リュック・ベッソンよベイビー
(ANNA/アナという作品で、上官に何で知ってるの?と聞かれた主人公ANNAが『KGBよ、ベイビー』と答えるセリフがお気に入り)
リーアム・ニーソンを起用したリュック・ベッソンの眼力はさすが。
また、本作は2008年の公開になるが、リーアム・ニーソンが私生活で奥さんを事故で亡くした年、そしてアメリカ国籍を取得した年の前年にあたる。
誤解を恐れずにいうと、2009年以降のリーアム・ニーソンは、俳優業を全うすること、仕事に生きることが、同じ女優業をしていた妻への弔いであるし、残りの人生の生き甲斐全てになったのではないかと勝手ながら想像してしまう。
そういう意味で、結果的に本作「96時間」は彼の分岐点的作品になっていると思う。
afterTakenのリーアム・ニーソンは、beforeTakenの役とは違い、どこか哀愁の漂う孤高な中年男、男やもめな役をやらせたら右に出る者はいない役者になっていく。
***元CIAのスキルが炸裂
この映画でもっとも元CIAのスキルを目の当たりにするのが、娘が誘拐されそうになったときの、ブライアンと娘との携帯電話でのやり取り。
友達が捕まり、ブライアンの指示で娘はベッドの下にうずくまり、息を殺している。
ブライアンは娘にこういうことを言う。
“今からお前は捕まる。だからその数秒の間に見る相手の特徴とか全て言いなさい”
娘はベッドの下から引き出される。
ブライアンの指示に従い、連中の身長とか特徴とかを電話に向かってまくし立てる。
これ普通だったら・・・、いやそういう状況は普通には発生しないけど、自分だったら、そういう時は、
“こ、この電話切って、は、はや、け、警察に早く電話しなさーい!!”
と、慌てふためいて叫ぶのが精一杯かなと(笑)。
情報戦を長年戦い抜いたCIA諜報員ならではのテクニックというか、マニュアルというか、“ちょっとしたことでもいいからまずは情報を集める”という鉄則を冷静に実践するブライアン。
このシークエンスには痺れた。
これこそがCIAだよ、おっかさん。
そこから先の追跡劇、撃退劇は、怒涛のアクション満載で、CIAというよりは、さすがジェダイマスターって感じ(笑)
特に年頃の娘を持つお父さんには、仕事仕事で家を空け、娘から遠のいていたブライアンの気持ちが痛いほど伝わり、涙なくして見れない作品に仕上がってます(涙)
***ブルーレイ 謎のリアルカウンター
本作BD持ってて、その特典に、“リアルタイムカウンター”なるものが画面上部に表示され、映画は進行する。
娘を救出するまでの96時間が砂時計となり、
死者数、負傷者数、残り時間、移動距離
が表示される。
ちなみに、娘を救出し、残り時間が0になった後も移動距離だけはカウントアップされる。
最終的に、
死者数:33人、負傷者数:13人、移動距離:18948.0km
この情報いる?(笑)
(もしかして、死者数と負傷者数足すと96人になってるとか期待したんだけど^^;)