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南瓜とマヨネーズのJINのレビュー・感想・評価

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)
3.7
バンドマンとその女よくあるある話。
共依存関係からだらだらと流れ流されやがては地盤沈下、さてこれからどうすんの?っていう。
音楽人間の自分が言うのも何やけど、バンドマンとの恋愛や結婚で上手く行ってないのを散々見てきてるので(笑)、ヒロインのツチダを一方的に責める気にはなれず。
臼田あさ美がバンドマンの彼女を演じてるのは、彼女の今までの交際歴を考えてもまさに適役(笑)
劇中で体操服やスク水を着るシーンがあるんやけど、ああ、これは『LIFE』でのコントじゃないんやな、と(笑)
とりあえずこのヒロインの動き方に共感出来る人とは付き合えない(笑)

太賀演じるせいいちが一見気の毒に見えるかもしれないが、売れないバンドマンの典型的な姿だったりして、甘えんなっていうのが勝ってしまう。
一つのバンドを長く続けていくということの大変さも知ってるだけに、バンドマンミーティングの場でのあの空気も生々しく、そして痛々しく感じてしまった。

結局は個々が自分の弱さと向き合い、どう新たな一歩を踏み出していくかってことなんだろうけど、そうゆう意味ではオダギリジョー演じるろくでなし男の存在は興味深かった。
彼のような図太い神経の男は強さとも弱さとも無縁なのだろうか?
人を傷つけることにも超鈍感で、超楽観主義というか。
ツチダとは対照的で執着しない。
もしかしたら常に自分が傷つくことから逃がれるために何事にも本気にならないのか?
その精神構造に興味がわいた。

ところで何で「南瓜とマヨネーズ」なのかサッパリわからない。
何で?
魚喃キリコのマンガって全く読んだことはないのだけれど、彼女の原作を映画化した『blue』を以前観た時と共通する空気というのは感じたなあ。
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