もっとヒリヒリすると思ってた……。
もっと滾ると思ってた……。
原作小説は未読なので、この作品が原作と比べてどうなのか？
原作ファンにとってどう感じるのかは、自分には、わからない。
「仁義なき戦い」を彷彿とさせるオープニング、ナレーション、素晴らしい昭和の再現度……。
これらが、自分にはどれもハマって見えなかった……。
「アウトレイジ」に対する東映の回答などと言うフレ込み？キャッチコピー？が邪魔をしたのかもしれない。
この物語が「実録」じゃないからかもしれない。実録”風”に撮りながらも架空都市・呉原という舞台設定のためか、頭のどこかでリアル感が埋没してしまうのだ。
フィクションは、よりフィクションに…。
ノンフィクションは、よりノンフィクションに…。
あくまでも個人的な考え方だが、より振り切れてるほうが面白いし好みだ。
ロケーション、美術・小道具、撮影、俳優陣の演技、どれも見応えたっぷりだと思う。
特に竹野内豊、江口洋介といったミドルクラスの役者たちの新たな魅力を見出してるし、敢えて「アウトレイジ」と比較するならば、石橋蓮司だろうか…。
この方は、この手の役がホントに上手いし強烈な存在感を放っている（笑）アウトレイジ2作目以降に登場しなかったのは、やっぱりちょっと寂しかったなぁ（笑）
本作、画も演技もキマっている、血と汗、涙、熱さの演出も過剰だ…。
しかし、過ぎれば過ぎるほど、逆に渇いて見えるのは自分だけなんだろうか？
白石監督の「凶悪」以降、「凶悪」×プラスアルファって感じが否めないのだ。よりエンタメ方向に持っていくことで「日本で一番悪いやつら」になり、スリラー（？）方向に持っていって「サニー32」、ま、今回は言わずもがな「仁義なき～」で味付けしている感じだ。
正直、どれも本質的な怖さと闇、凄味を描けた「凶悪」超えは出来ていない……と、思う。
そうそう、方言女子はエェのう♥ってつくづく思わされたので、ここは加点じゃけぇ（笑）
