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孤狼の血のshinoのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
4.2
私の中ではダイワマンのイメージが強い役所広司。「乾き。」と同様にダイワマンのイメージをぶち壊してきました。最高〜!

画面越しに見ていても、男臭さ油臭さ血生臭さや泥臭さがすごく匂ってくる。昭和の末の頃の蒸し蒸しとした夏の描写、映画の勢いと相まってドバドバ汗が出ました。
松坂桃李演じる日岡は現代の視聴者の代弁的な役割なのかな。今の時代にそぐわない暴力的かつ非人道的な大上の行為に、最初は酷いやつだ!と思いましたが、観ていくうちに大上に惹かれていく。信じてた正義が揺るぎ、最後は…。と言った視聴者が松坂桃李に入りこんで観れることができる。大上がヤバすぎても駄目だし、良いやつすぎても駄目。まさにギリギリの綱渡り状態で大上のキャラクターが立っているし、そこに至るまでの話運びが上手い。

あと感動したのが、画面作りがすごい丁寧ですね。今から約30年前を描いているから、モブキャラのファッションや背景の漫画本まで全てが昭和の時代という感じで良かったし、死体の描写もリアルでグロくて汚くて気持ち悪くてエグい!!!最高!!!

平成最後の年に、昭和最後の年を舞台にした映画が公開されるのも何かの縁なのかもしれない。 どうでもいいけど、サラッと出てきたド地元には笑いました。観光地だけどド風俗街だったことを思い出させてくれたわ。温泉街(隠語)
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