フジリソ

孤狼の血のフジリソのネタバレレビュー・内容・結末

孤狼の血(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

尾谷組と仁正会、14年前の抗争を境に休戦状態となった二つの暴力団が、尾谷組の組長復帰を間近に控えて再び緊張状態を強めて行く。

そんな一触即発の広島・呉でベテラン刑事の大上と新米エリート刑事日岡は、組の対立を抗争に発展させないために、仁正会を抑える切り札なりえる金融会社の金庫番殺人事件の捜査に乗り出すがーー

豚のクソを喰わせるというハードな拷問シーンから始まる一作は、泥臭いヒーローを描いた直球のエンタメ作品でした。

進行の基本軸はエスカレートしていく組同士の対立と金庫番殺人事件の捜査、それと大上が関わったとされる14年前の仁正会組員殺人事件。

物語の進行に合わせ、大上の違法捜査、日岡の内偵、大上の信念、日岡の成長と焦点が切り替わり、その都度、疑惑、タイムリミット、憤怒など、物語のスピードをあげる燃料が投下されていくのでテンポよく話が展開。だから、ハードな描写に反して非常に見やすかったです。

俳優陣も豪華で役所広司のヤクザ警官ぶりは言わずもがな、個人的には中村倫也がすごい良かった。

映画の中で、人は一度しか生きられないから云々という台詞がありましたが、その一度きりの人生を信念を曲げずに生ききった大上はヒーローだったと思います。

まぁ、いくらなんでも大上カッコ良すぎだろとは思いましたが。というか最後のオチも含めてちょっとずるい気もする。

そして受け継がれる綱渡りの日々もとい孤狼の血。

置き土産のハイライトに、日岡が遺品のライターで火をつけるラストは痺れました。
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