創

孤狼の血の創のレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
4.5
非常に男臭くて良い。好き。

喫煙も殺人も死体も喧嘩も、害がある、残酷的等とされると表現が難しい昨今、
映画の世界には、こういう表現の限界を求めるものがあっても良いと思う。

すぐにネットでなんでも調べられるのだから、ある程度、自分が耐え得るか調べてからお金払って挑めば良い。

表現の自由があるように、選択の自由だってある。

とはいえ、そんな限界に挑戦した感は無く、男臭くはあるけど、分かりやすく綺麗にまとまっている映画だと思う。
そもそも私自身、暴力や残酷描写が大好物な訳ではなく、だからあくまで男臭い程度。
スパスパ煙草吸うのも、おいおい倫理的人道的にそれはどうよ。と思うのも、良い意味で昭和的で好き。

みんなの血の通ってる感、呉原という街に辿り着いたらその辺歩いてそう感がすごい。

登場人物が多くてわりとみんなヤンキーかおじさんなのに、有名俳優が多いとはいえ、特に混乱は感じないし、
誰があっちでそっちで、誰が警察かも意外なほど分かりやすい。

それぞれのキャラに説得力があるからだろうか。

役所広司の不敵なじゃけえ
真木よう子の殺気立ったじゃけえ
阿部純子の柔らかいじゃけえ
瀧の大物にはなれなそうだけど小物で終わらなそうな中物感
石橋蓮司のクチャラーっぷりと圧巻な顔の存在感
ヤクザも警察も、ありがちなどこかで見た感じを脱してない。
だからなんとなく見分けが付くのかもしれないけど。

松坂桃李の案外まともそうな役は久々だったのだけど、どっちもちゃんとこなす感じすごく良いな。

矢島健一のやたら声だけデカい感じは本当に好きだし、
嶋田久作のとりあえずそこにいるだけで成り立つ感じもすごく好き。

最近よく見る中村倫也をなんか怖い。と思うのはたぶんこれのせいだわ。
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