創

ボーはおそれているの創のネタバレレビュー・内容・結末

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

私は運動会の前日に明日(本番)も来週(予備日)も雨になるように神にも仏にも先祖にも空にも祈っていた子供なので
なんとなくボーの精神世界を理解できる気がしてしまって自分でもビックリするぐらい意外と面白かった。
ひたすら最悪の予想予感、許されたいための言い訳が続くのにその全てがなんだか幼くて。
スクリーンに映っているのは確かに中年の頭が薄くなりお腹も出て体の緩んだオジサンなのにいつまでも14歳ぐらいの感じが痛々しい。
とんでもない被害妄想他責思考の嵐でネガティブ過ぎるこんな事が起きたら嫌だ!な最悪の予想の嵐で
もはや途中からこんなんも嫌じゃないすか!?確かに〜!!絶対やだ〜!!ダハハッ!!でもさすがに気の毒過ぎ…。みたいな変なテンションになった。


最初から飛ばすから私は全部ボーの精神世界の話であって現実の話では無いと思って観てた。
ママが用意した家の周りの治安があんな悪い訳ないのはこの人本当お外が怖いんだなと思ったし、
隣人が変で眠れなくて寝坊した上に鞄と鍵が無くなっちゃったから今日行けない。とか言い訳ヘタクソかよと思ったし、
おそろしいものはおそろしいものとしてそのまんま出てくるけど、よく分からないけどおそろしいものは本当によく分からない形で登場するからもう本当笑っちゃう。
そういうのめちゃくちゃ親切だけど今観てる映像と私の頭の中で展開する物語に少しずつ歪みが広がるので観てて面白いけどめちゃくちゃ疲れる。


たぶんホアキンフェニックスが主演だから疲れるけど面白かった訳で。
これがあの少年がメインで時々鏡に映ったり最後に母の家から出てくるの以降だけがホアキンフェニックスだったら、
ゴリゴリガチガチのホラーで全然面白く観るどころでは無かったと思う。
でもたぶんボー自身にとってのボーはあの頃のまま止まってんだろうなって感じはそこかしこに溢れててなんだか切なくもある。


あんなに祈ったのに実際に運動会が雨で延期になったことがあるのか記憶にない。
運動会が体育祭になる頃にはサボる事を覚えていたので体育祭に至ってはそのものの記憶が薄い。
記憶なんてそんなもんなんだよな。で、思い出せないことはそのまま無かったことになっていくんだよな。
良かったこと楽しかったことは忘れないように頻繁に思い出して思い出し笑いしよ。
創