クリンクル

サラブレッドのクリンクルのレビュー・感想・評価

サラブレッド(2017年製作の映画)
5.0
初めから終わりまでアニャ・テイラージョイとオリビア・クックを眺められるので満点


というのは冗談で、それも多分にはあるけれど映画として傑作

冒頭ハンティングの写真、日本刀から伝わるように女の子2人が会話しているだけにも関わらず映画全体に死の匂いが漂ってる
それでいてオリビア・クック演じる女の子は無感情なので空気の読めない言動がブラックコメディになっていて面白い
アニャ・テイラージョイが無感情な女の子に振り回される話なのかな?と観ているとこの娘も大分アレなのがわかってくる
無感情ゆえによく観察して感情を読める女の子と、感情的なため他人の感情がわからない対照的な女の子たちの話だったのだ

ソシオパス、パーソナリティ障害という言葉は悪人の属性として扱われることが多いが、オリヴィア・クックは本人が言うように善人に成ろうと努めてる
馬を殺し、嘘泣きしたことが咎められたり落胆されたりもするが全ては善意から来るものなのだ
これが最後の場面では彼女にとってはおそらく始めて相互関係の形で成就する
唯一常識人と言っていいアントン・イェルチェンが外から事の顛末を知るが、理解できない
手紙の内容を明かさないように2人だけがこの価値観を共有していればいいのだ