やた

心が叫びたがってるんだ。のやたのレビュー・感想・評価

心が叫びたがってるんだ。(2017年製作の映画)
3.5
アニメ版が好きなので、その上での感想。

芳根京子が完璧に成瀬順だった。挙動が少し不審なところ、声がきれいなところ、あと脚のライン!アニメ版で成瀬順のタイツ脚にぐっときていたので、まさか実写版でも見られると思ってなかった。素晴らしい。

アニメ版よりも、それぞれが抱く恋心が視線で表現されていて、そこが良かった。特に成瀬順が坂上拓実を見つめる視線がどんどん変わっていくところ。そしてその視線を菜月や田崎が追いかけるところ。田崎の成瀬順への視線が強調されてるのも良かった。

ただ、いらないセリフが多かったなーという印象。「言葉で伝えること」がテーマとはいえ、そこまで何でも言っちゃわなくていいのでは?と思うところが多かった。もう少し画面だけで伝えて欲しかったな。
「成瀬の…せい?」「わたしの…おかげ?」とか反復するセリフは、漫画やアニメだと気にならないけど実写だとくどいし、めちゃめちゃ演技っぽくなるんだなぁと感じた。
「山の上の城…全ての物語の始まり…!」は、力入りすぎなのもあってちょっと笑ってしまった。

アニメ版で、成瀬順と同じようにわたしの心もえぐりにえぐってくれた坂上拓実。実写版ではどうなるか…と思ってたけど、中島健人はとてもうまくオーラを消してたなぁ。ただ思春期ならではのけだるさが、かっこつけてるように見えたり、ピアノ弾いてる時に首かしげてワールドに入っちゃういつもの癖が出てたような気はするけど、まぁ彼のファンじゃなければ気にならないかも。
でも、さすがにミュージカルシーンではTHEアイドル出まくってた。坂上拓実は王子様衣装似合い過ぎたり、ステージ映えしたり、手差し伸べるポーズがやたら様になったりしたらいかんだろとツッコミながら観てしまった。

芳根京子という女優の素晴らしさがわかったし、真摯にアニメ版に向き合って制作されたんだなぁとわかるのでまぁまぁ良かったけど、そもそも「ここさけ」を観てない人にどっちをお勧めするか?と聞かれたら絶対にアニメ版の方だなぁ。
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