サッカーと映画観るのがすき

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のサッカーと映画観るのがすきのレビュー・感想・評価

4.0
ひさびさに骨太な社会派アメリカ映画を観た気がする。
しかしスピルバーグってお方はホントに凄いオールラウンダーだなぁ。
インディー・ジョーンズやジュラシック・パークみたいな”どエンタメ”作品から、シンドラーのリストやプライベート・ライアンのような重厚な戦争悲劇描写、本作のような骨太な政治・社会派まで。
んで、何を撮っても超一流。さすがっす!

本作は、アメリカ政治と国防組織が長きにわたって隠蔽していたベトナム戦争に関する機密情報をすっぱ抜く、ワシントン・ポスト経営陣とジャーナリスト達の実話。
ペンで闘いを挑むわけですから派手なドンパチは一切なし、口論しているか、電話しているか、書類読んでるシーンばっかですw
なのにスリリング!ハラハラ・ドキドキする。

ワシントン・ポストって、当時は同族経営のローカル新聞社だったんすね。
それまでのキャリアはよくわからんけど、夫であり社長を亡くした奥さんが会社を引き継ぐって凄いプレッシャーだったろうな。しかも当時は女性経営者はまだ少なくて御輿として担がれるだけ…みたいな。キツいよなぁ。
でも只者ではなかったね。もの凄い覚悟と胆力だった。あの決断シーンはしびれたし、ちょっとウルっときました。
メリル・ストリープ、さすがっす!

2017年公開ですが、当初予定されたスケジュールはもう少し後だったそうです。が、2016年トランプ大統領誕生をうけて、予定を前倒ししたらしい。
時代背景・世相、共和党への政権移行、ニクソンとトランプの共通点?
スピルバーグなりのやり方で、民主主義やジャーナリズムのあり方を問うてきてますね。
政治思想は人それぞれでしょうが、メッセージはひしひしと感じました!