広島カップ

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書の広島カップのレビュー・感想・評価

3.0
本作はラストがどうも引っ掛かります。
ウオーターゲート事件に繋げたシーンをチョロッと観せたラストがどうもです。

ウオーターゲート事件を真正面から扱ったアラン・J・パクラの傑作『大統領の陰謀』(1976)をどうしても思い出してしまうラスト。
彼の作は何もない所から真実の姿を浮かび上がらせようとする新聞記者の姿を描きましたが、本作は手に入れた情報をどうすべきか悩む新聞人の話。
スピルバーグは社会悪自体に手を付けるというよりそれに立ち向かう人々に対しての関心が強いように思います。
どちらが魅力的かと問われたら、靴底をすり減らしていた『大統領..』の方に軍配を上げたくなります。
あの人が活躍する作品自体は感心しませんでしたが「事件は会議室で起きてんじゃないっ」と言っていた青島刑事的人々に肩入れしたくなります。

作品を通して新聞人の英断について語って来たのに最後にわざわざ下げなくてもいいかな?と感じてしまいます。
ワシントン・ポスト紙の話なのでボブ・ウッドワード、カール・バーンスタイン両名、ベン・ブラッドリー編集主幹がそこにいるのにぃ、と観客がなるようにわざわざ話さなくてもいいのにぃと感じてしまいました。
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