登場人物が全員気持ち悪い。
でも気持ち悪いと感じる自分って多分相当能天気で幸せに生きてるからなのかもしれないとも思える。
全員虚無的で、相手への依存であったり、セックスだったり、食べて吐いたり、切実に何かでそれを埋めたり、心身の痛みを無頓着でやり過ごそうとする生々しさ、痛々しさが息苦しい程だ。
生々しく痛々しい分気持ち悪く、でもそれが彼らの抱える虚しさや寂しさの大きさを伝えてくれる。
食べたり吐いたりセックスするシーンがこれまた非常に生々しくも気持ち悪いのだが、それもまた肌感覚で彼らのような部分ってあなたの中にもあるでしょ、とリアルさを突き付けてくるようだった。
役者さんは皆存在感があって良かったが、中でも森川葵は本当に良い。
あの無理した笑い方、媚びるような声、ダラダラしたしゃべり方、憑りつかれたような目。「手編みのセーターは重い」を体現してくれる。
どう見ても地雷。絶対お近づきになりたくない。
でも目が離せなかった。
あとよっちゃんはマジでウザい。
多分二度と見る事は無いだろうし、ちゃんと理解できたわけではないだろうが、見て良かったと思う。