オチが読めるけど良作だった韓国映画
・感想
パッケージには『映画史上に残る衝撃のラスト』と書かれているものの、実際にはオチが中盤から、あるいは勘がいい人には前半の最初あたりで読めそうな映画ではありました。
そもそも、突っこんでしまうとなんでジェフンがずっとスーツ姿であり、なんで携帯を忘れて手ぶらでオーストラリアまで行ってるの?となっていき、後半では
スジンの友人のオーストラリア人クリスにも気付かれないのだから、もしかしたらジェフンって〇〇って思ったら予想通りのオチでした。
内容は新鋭監督の作品でありながら健闘している方で、イ・ビョンホンの表情を淡々と見せながらクラシカルな音楽に乗せて表現していて、静かではあるんだけど映画としては非常に見ていて見応えはありました。
真面目な映画なんだけど、ちょっと笑ったのはジェフンがスジンの家に入った際に何故か愛犬のチチが太眉をつけて登場していて、部屋に飾ってあった家族写真にも太眉がつけられていて、かといって
次のシーンに出てくるジェフンの息子ジヌンにも太眉がつけられていたのでオーストラリアで何流行ってんだよ!と思った。オーストラリアで加藤諒か井上咲楽が流行ってるの?と突っこみたくなった。
それで、イ・ビョンホン演じるジェフンの役柄が可哀想なんだけど、ソヒ演じるジヌンも可哀想。ワーキングホリデーでまんまと柄の悪い韓国人に騙されて酷い目に遭い、かといって自分が死んだことも自覚していないなんて『えっ?』って思った。結局、オーストラリア警察がジヌンを殺した犯人を見つけてほしいなぁと思う。
内容は切なくてしっかりと伏線回収をしたのでまあまあ良かったのだが、クリスの妻であるステラが本当はこうなってたからクリスがスジンと同居して生活してるというのは分かったものの、せっかくジェフンが〇〇ということになっているのにハーバーブリッジの作業員や隣人のおばあちゃんが果たしてなんでジェフンに話しかけることができるのか?という理由が描かれてなかったので伏線回収していなかったのでモヤモヤ感が残った。(それを匂わせる描写はあるんだけど、具体的な描写が欲しかった。)あと、ラストで後半からずっとジヌンとジェフンと一緒にいてたスジンの愛犬のチチがジェフンの目の前から去っていったのでなんならチチはクリスのところに戻してあげた方が救いがあったんじゃないの?と思った。なんせ、チチがクリスがいないような場所でウロウロしても果たして救いがあるの?と思ってしまう。
2度3度観てて、ますます切ないと感じてしまう映画だったのですが、ラストに登場人物がこうするべきだったんじゃないかなぁと少し物足りないと感じてしまう韓国映画でした。