このレビューはネタバレを含みます
昔親父がBSで見ていたせいで、リビングにお菓子を取りに行っただけなのに、ラスト30分だけじっくり観てしまったことを思い出した。ブルース・リーの映画という認識だけだったので、本作がそこに繋がったことにとても驚いた。コロッセオを駆け回るシーンと、猫が鳴く戦闘開始の合図が有名なんだと力説されたっけ。
ワンパターンだからこそ良い水戸黄門理論に、3作目で早くも突入している。舞台さえ変えれば、李小龍さえ生きていれば、無限に製造できる。ここから監督を自身が勤めているらしいけど、そこまで違いは感じられなかった。
今作の舞台はローマ。トレビの泉、メディチ家庭園、コロッセオなどを、映像として楽しめる建築的楽しみもある。流石に戦闘シーンの許可は下りなかったのか、急にハリボテの絵に切り替わるのはツッコミたくなるが。またフォロ・ロマーノを見て、退屈そうに「九龍城の方が良い」と言うシーンとか、とても可愛らしい。李小龍の香港愛を感じる映画。
ダブルヌンチャクシーンは必見。また、敵がヌンチャクを拾って自滅するシーンも此処が初めて。敵役が用いる銃やナイフといった西洋の武器は投げ捨てて、そこら辺に立てかかっている竹棒とか、自作の竹投げナイフを利用するところも、中華圏ブランディングに一役買っている。一作目ででっかい刀を振り回していたときはびっくりしたけれど、此処らへんから、僕らが普段想像するブルース・リーになっていったんだろう。
段々と面白くなっていくシリーズの成長にワクワクが止まらない。