メル

甘き人生のメルのレビュー・感想・評価

甘き人生(2016年製作の映画)
3.6
イタリア人ジャーナリストのマッシモ・グラメッリーニによる自伝小説が原作。

最愛の母の突然の死によって心に傷を負った9歳のマッシモは、その時からずっと空虚に囚われたまま成人していった。

1960年代からの世界的にも激動の30年を潜り抜け、マッシモはどう変化して行くのか…。

ジャーナリストとして訪れたサラエボで目にした惨劇のワンシーンは、心に蓋をして生きてきた自分自身を思い出させたのだろう。

何と言ってもお母さん(マンマ)が絶大な存在感を持つイタリア文化を考慮すると、彼が抱えていた虚無感は分からないでも無い。
そして、この自伝小説がベストセラーになった事実からしても、マンマに対するイタリア人の気持ちが想像できる。

生涯をかけて漸く癒される傷、それでも癒されない傷というのは誰にでも一つくらいはあるのかも知れない。

ベレニス・ベジョは女医さんで、「リード・マイ・リップス」のエマニュエル・ドゥヴォスは友人の母としてそれぞれ良い味出してます。
ローリングストーンズのジッパー付きLPレコードあったよね!と懐かしむ🤭
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