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ホンモノの気持ちのmaverickのレビュー・感想・評価

ホンモノの気持ち(2018年製作の映画)
3.8
ネットフリックスのオリジナル映画で、人間そっくりのアンドロイドが人々をケアする近未来の世界観の作品。設定だけ聞くとSF映画を連想するけれど、作品性としては恋愛要素の強い人間ドラマといった感じ。VFXなどは極力使わず、レア・セドゥとユアン・マクレガーの静かな演技で釘付けにする渋い作品。大手映画配給会社が半端ない制作費を投入するいわゆるブロックバスター系の大作映画とは違った作品性が、上手くネットフリックスのオリジナルコンテンツにマッチしてるなと感じた。アンドロイドと人間との間には恋愛は成立するのか?というのがテーマ。でも単にそれだけではなく、自我を持つ限りなく人間に近いアンドロイドを作ることは果たしてどうなのかということを観る人に考えさせる内容だ。この手の作品でよく描かれるのは、機械が人間にどう影響を与えるのかということ。どう便利なのか?危険性はないのか?といったことだ。でも忘れがちなのは、自我を持って生まれた機械はどう感じているのか?ということ。ひとつの命として生み出されたアンドロイドが、人間とは違った機械だからという理由でぞんざいに扱われる。人と同じように感じる能力を持ったアンドロイドは、そうしたことに人間と同じように傷つく。同じ人間同士でも相手の気持ちや尊厳を考えなかったり、ペットや動物だからとぞんざいに扱ってたりしないだろうか?アンドロイドもそうだが、クローンなど、人が人を創造することの倫理観などが問われるような深い内容であった。それをしっかり感じさせるのも、主演二人の演技があればこそ。特にレア・セドゥが素晴らしい。彼女目当てで観るだけでも十分満足いく作品です!
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