ノア・バームバックがお届けする『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ (改訂版) 』かと思いきや、似て非なる良作だった。なんならむしろ『ヤング・アダルト・ニューヨーク (改訂版) 』でも全然しっくり来る内容ではある。
家族でも許せないこともあれば、家族だからこそ許せてしまうこともある。整っていようがイビツだろうが、根本的な家族のかたちはいい年こいても何ら変わらないし、そんな親たちの姿を見本にしようが反面教師にしようが、次の世代はそれを確実に受け継いでいく。「命のバトン」なんてたいそうなもんではないです、ただ誰もが必死に今を生きてるだけ。それを見て声を出して笑いながら、ただ自分の家族のことをボンヤリ考えて真顔になるだけです。