すたっく

ライオン・キングのすたっくのレビュー・感想・評価

ライオン・キング(2019年製作の映画)
3.9
総評すると、「昔からの名作を超ハイレベルの映像技術を使って甦らせた作品」だと感じました。

まず特筆すべきは圧巻の映像美です。
スケールの大きな自然、動物の毛並みと仕草の細かさ、天気、すべてが実写のような美しさです。
そこに「動物が話す」というとても不自然な要素が違和感なく同居しています。
流石ディズニーと言える素晴らしい観察力と技術でした。

ストーリーは旧アニメ映画の大筋を損なわず、追加シーンも細やかな捕捉に留まっています。
それを「下手な改変をいれず、堅実に作っている」ととるか、「アニメ版の焼き回しであり、新鮮味に欠ける」ととるかはその人次第ですね。私は昨月鑑賞したアラジンの変更点が好みではなかったので、どちらかというと前者です。
一方で、リアルになったからこそ原作からある矛盾(草食動物と肉食動物の関係性など)が一層際立っているようにも思いました。旧作からある=この映画のメッセージには含まれないということで、意図的にスルーされたままの可能性もありますが。

ここからは吹替についてですが、全体的にイメージを損なわないキャスティングで、ほとんど違和感なく見られました。
(シンバの吹替には賛否あるかもしれませんが、私は気になりませんでした)
特に少年のシンバを吹き替えている熊谷俊輝は素晴らしいです。

総じて素晴らしい出来の映画ですが、目新しさは少ないため、アニメ版を視聴された方は既視感が強いのではないでしょうか。
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