すたっく

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生のすたっくのレビュー・感想・評価

3.0
個人的には少し引っ掛かるところが多いと感じました。
(あくまで個人の感想ですが…)
以下によいと思った点と不満点を書きます。

まず全体を通して良いところを。
前回から継続されている世界観に、耳馴染みのあるキャラが登場してきて、まさにハリーポッターとの繋がりが強くなってきました。
原作を読んでいるとハッとする人物や、映画ハリーポッターでは語られなかったあの人物が実写で登場する部分の満足感は高いです。
また、今回も不思議な魔法生物が色々と登場してきて、暗くてシリアスなストーリーに少しのユーモアと不思議さを添えてくれます。
また、長年培ってきた魔法の描写や人間模様もドラマチックですし、大きく話が展開される後半の満足感はとても高いです。
総じて、2時間越えという大ボリュームにもかかわらず、時間を忘れるような魅力は相変わらずです。

その一方で、不満に思う部分もチラホラ…。
不満点を総括すると、「描きたいことが多すぎてとっちらかってる」ように感じました。
クリーデンスの出自、グリンデルバルドの暗躍、クィニーとジェイコブの障害…などなど、さまざまな要素が同時に進むうえに、そこにハリーポッターの登場人物や小ネタ、さらには魔法動物まで巻き込んでそれらを同時に進めようとしたために話がまとまっていない。
また、シーンの繋ぎがスムーズでなく、「なんでそこに?」「どうしてそうなったの?」と首を捻る場面がチラホラ。
特にズー・ウーを捕まえる場面は、そこに至る経緯や動機がわからず、「なぜ捕まえようとしてるのか?」「どうやって対面に持ち込んだのか?」といった疑問に自己完結するまでに時間がかかりました。
他にも、ストーリークライマックスに至るまでのクィニーの心理描写が微妙に説明できていなかったり
墓地で謎が紐解かれるシーンでキャラクターの立ち位置が定まっていない(アップで話している人の背後にいたはずの人物が、反対側にいる話の聞き手の背後にいる)時があったり
バラバラに行動しているハズなのに同じ時間に同じ場所にいて、同じタイミングで場所を移動するために、「あれ?この人は誰と一緒にいて、何をしにここにいるんだっけ?」となってしまいました。

前述した通り、評価できるところもとても多く、面白いことには面白いのですが、所々整合性がとれていないために話についていけない部分が多かったため、前作と同じクオリティを期待した私には少ししこりが残る映画でした。
すたっく

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