染若

ボヘミアン・ラプソディの染若のレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
4.4
ライブエイドの行われた年、私は中学3年でした。非常~に不確かですが、日本でもテレビ中継をやっていてQUEENではなかったけど、誰かのステージを観た記憶があります。もう「ライブエイド」って単語だけで懐かしく、楽しみにして映画館へ。とにかく映像体験として文句無し!これは絶対に音響のいい劇場へ行くべし少し遠くてもです。終わって私も「もっと音のいいところで観るべきだった!」と思いました。早くもリピートする気満々です(笑)

ストーリー的にはミュージシャンの自伝的映画にありがちな内容だと思います、いたってシンプル。見どころはやっぱりライブシーン。また、レコーディングなど〝音が生まれる瞬間〟の再現にも、心沸き立つものがありました。音楽って素晴らしい!!と今更w

キャストについては全く知識がなかったのですがみんな似てる…特にブライアン・メイ同じ…。フレディ役の人も歌は別人(及びフレディの音源)で入れてるそうですが、ステージパフォーマンスがもう!ポージングも重心の置き方も何もかも。体幹から役作りしてるのでは?というレベル。いやー圧巻でした!

昔は洋楽をよく聴いていたので劇中かかった曲も殆ど知っていましたが、実は詞の世界にはあまり触れたことが無かった、すごく力強いのにどこか内省的でもあり、とにかく惹き込まれる。それは、フレディのナイーブな魅力にそのまま繋がるようでもありました。ライブエイド1曲目「ボヘミアン・ラプソディ」始まりの歌詞に衝撃「そんな内容を歌っていたの!?」と、瞬時に涙が…そのあとはオーディエンスの興奮、メンバーの表情、ステージ上に吹き抜ける風までも尊かった。映画終わるまでずっと泣いてました、そしてその涙は温かかった…。

実際の時系列は少し違うのかもしれませんが、フレディが〝還るべき〟居場所を見つけ、大切なパートナーを得て、長年わだかまりのあった家族と雪解けするのと同時に人生の終わりが始まります、本当に皮肉なもの。でもその渦の中にいる彼が、何故かとても愛おしいと思いました。可愛い人…亡くなってこんなに経ってから、でも知ることが出来てとてもよかったです。
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