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ボヘミアン・ラプソディののらのレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
3.5
QUEEN のボーカル、フレディ・マーキュリーの伝記映画でフレディ・マーキュリーをナイトミュージアムシリーズのアクメンラー役でおなじみラミ・マレックが演じる。

本作は QUEEN の誕生や、フレディ・マーキュリーの家族関係や、そこから来る人間関係の歪み。そして晩年のハイライトとなるライブエイドなど、フレディ・マーキュリーの伝記映画としてのエピソードは一通り網羅されている。

その一方で QUEEN やフレディー・マーキュリーの生きた時代性と行った物に対する総括がなく、ただエピソードをなぞっているだけに終わってしまっている。実際同性愛やエイズに対する偏見といった、語るべきフレディー・マーキュリーの生きた時代があったはずだが意図的に避けているようにすら見える。

とはいえ、本作のクライマックスでありハイライトと言えるライブ・エイドの再現シーンは圧巻で、このシーンのためだけに本作を見る価値はあるだろう。一方で QUEEN の音楽が流れていないシーンは単調でドラマに欠ける。QUEEN のミュージック・ビデオのような映画になってしまっているが、QUEEN の楽曲は本作の欠点を帳消しにするだけのパワーに満ちている。
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