Aya

テルマのAyaのレビュー・感想・評価

テルマ(2017年製作の映画)
3.7
#twcn

大好きだろ!!

ラストはガッツポーズを取りそうになった、つうか、ざまあ!!と思ったね。

最初は田舎娘として友達もいない都会でビクビク暮らしていたテルマが、目的のものを手に入れ、邪魔者を排除し、不敵な笑みで映るラストに希望しかないですね(悲惨な出来事への予感も含め)

えっと、トリアーの甥っ子、にあたる監督なんですね。
トリアーとは作風はまったく違う。
面識もないらしいですね。
撮影なんかは最近のデンマーク映画っぽいので、共通する所はありますね。

ただ監督のインタビュー読むと「わからないやつはわからなくていい」スタンスがはっきりしてて、強いと思ったw
さして若い監督ってわけでもないのにw
そんな作風です。

テルマはノルウェーの田舎町で医者の父、車椅子の母とカトリック家庭で厳格に育てられた。
そして大学進学を機にオスロで一人暮らしを始める。

毎日のようにかかってくる母親からの電話がうざく、都会になれない彼女は友達ができない。

ある日、図書館で勉強中痙攣発作を起こし、病院に担ぎ込まれるものの、癲癇の線はない、と言われる。
しかしその場に居合わせたアンニャという美しくリア充女子に「あなたと友達になりたい」と言われ、ホイホイ友達ゲット!

今まで知らなかった年相応のパーティーやお酒、タバコ、社交etc...色んなことを知っていくが、彼女は自然的に恋も嫉妬も知ることになり、物語が動き始める。

結構都会まで行くとカトリックって(笑)の扱いなんやね・・・。
それかウブ子ちゃんだったから??

彼女が親と初めて離れて、普通に親うざっ、ってなるのは普通の子、やと思うんですよ。

でも彼女に変化が訪れたのは痙攣とそして、恋。

すごいノルウェーの医療って細かくみるんですね!
癲癇なんて問診で病名つきますよ日本。
その結果でわからないから、心因性って言われて「頭おかしいってこと?!」っと取り乱すのもなかなか複雑なんだな〜と。

この恋する相手のアンニャもテルマのことが本当に好きで。
恋する感情や欲望を初めて経験するから、どうしていいのかわからない!でも恋する気持ちは止められない!のが若者の特権。
アンニャがリードした関係を築こうとするが、テルマが新しい感情の芽生えと共に自身の持っているある力も開花させる。

いわゆるサイコキネシス、スーパーナチュラルってやつかしら??
彼女が強く願ったことが不思議な力で、具体的にどうこう、ではないものの、結果的に願いが実現してしまう。
痙攣はそのパワーの副作用みたいなものだった。

そして最愛のアンニャへの思いが強すぎて、パワーが働いてしまい、テルマにとって、それがショックで、やっぱり都会で馴染みのないところで生きられない、と実家に帰ってしまう。

自体を知った両親は周到に対処する。
彼女を縛り、記憶を消し、そして彼女を生きながらえさせたその最たるものは彼女は家族だった。

母が車椅子になったわけ、弟の存在、そして冒頭の猟銃シーン、幼少時代に不相応な強制治療を施す父。

ちょっと弟の件すごかったです。
SF系のような見せ方なのにスマート。

彼女はすっかり忘れていたから、びっくりして、父からの言いなりのまま祈り、薬を飲み、眠る軟禁状態。

テルマがぐったりしている中、両親はある決心をする。
その決定権は常に母親。
言いなりの父親。
逃避行のようにボートで池に行き、タバコを吸う(しかもいずみにポイ捨て!!)すると・・・

カンカンカン!!

しょうがない、というスポンティニアス・コンパッション!!シーンは斬新だ。
しかもその行為はテルマのトラウマによるもの。

そして彼女の起こす行動。吐き出す自由への導き。

そして最愛の人が・・・。

もうテルマは大丈夫。

彼女は子供ではない。女性であり、スーパーナチュラルであり、それをコントロールできる。

そして、過去にとらわれず、未来しか見ないことに決めた彼女は本当に清々しかった!


日本語字幕:松浦 美奈(ノルウェー語もやるの?!)
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