シネマスナイパーF

検察側の罪人のシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

検察側の罪人(2018年製作の映画)
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いいぞもっとやれ
映画化という「快感」
てか、英語タイトル、ネタバレもいいとこだぜ!

暴走した疑似ビジランテ、ひとよんで疑似ランテ
それは映画作ったオマエのコトや!笑


序盤、吉高由里子演じる橘が、友人から忠告を受けますが、今我々は、そういったことによる大騒ぎを散々見せられている
この時点で、脚本も書かれている監督の伝えたいことは明らかで、そういったものに対するアンチなのかなと思うんですけど
終わってみれば僕たちは、キムタクが脚本の初稿から復活させたという台詞が、結論めいたことを言っていたことに気づき、うん?と思う

最上の奥底にある忸怩たる思いとパワハラ問題を両立させるのは正直疑問が大量に残る部分で、強引に近く、旧態依然とした圧制はダメだという最上自身が机を叩いて部下に声を荒げるようなヤツなのでは作品として説得力が欠けちゃうと普通は思いますよね
でも、彼が今この国では通用しない己の正義を信じて驀地に走る様子は、劇映画として、とても面白い脚色だと思いました
ぶっ飛びすぎだけど


編集の方曰く「ボクシング」だという取り調べシーンは、どれも二宮さんの力量で素晴らしいものに仕上がっていて、一見の価値あり
腹を括った最上の恐怖に混じった表情も必見で、とにかくニノとキムタク最高
意図的であろう、全編感じる「わざとらしさ」が、映画としての面白さを助長する

なにより僕としては、最上がガベルを収集しているっていう設定が堪りませんね
棚がライトアップされる仕掛けがナイスで、苦渋の表情で閉じるキムタクがイイんだ…
また、「そんなにやりたいか」やホテルのSM器具が何故か回収されていく可笑しさ、ビジュアル的にホワイトヤクザな松重さんの久しぶりに燃えよドラゴンを筆頭とする意味わからんセリフたち等、雰囲気を壊す小ネタも絶妙


何度も見返したくなる作品
ブツ切りハイテンポもクセになる
関ヶ原など過去作も気になりました
僕の中で、色々なものに対する価値観が変わったような気がする大事な作品かな