グラビティボルト

ミスター・ガラスのグラビティボルトのレビュー・感想・評価

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
3.7
続編である事を隠さなきゃいけなかった、
スプリットに比べてかなり自由度が高い。
ブルース・ウィリスもガンガン出るので例えば鏡のイメージは随所に出てくるし監視カメラによって漫画のコマみたいな
「枠」演出も前に出る。
それぞれの対決を力の強弱や理屈ではなく「信仰」の有無に託してしまう根拠の希薄さが凄い。希薄で弱い宗教映画。
故に強いカットや場面は少なく、三人の「超人」はそれぞれの弱さを持つ。
ウィリスは髭のせいか表情が弱く、
マカヴォイはパーソナリティーが希薄
サミュエルはそもそも身体が弱い。
その分それぞれの陣営にいる「目撃者」の強度が強い。
特に息子は回想によってより強固になる。
不特定多数のコマ(スマホのフレーム)に彼らの物語が宿っていくラストは感動的というか、問答無用に格好良いが、
1作目にあった静謐&慎ましいバランスは遥か彼方か。
鏡のイメージ等が弱い、格闘を敢えてシュールにするバランス感覚は終始心配だった。
後、アーニャ・テイラー・ジョイにバブみを感じてしまうのは背徳的で欲求としては理解出来る。しかし、マズイとも思う。スプリットの彼女は母性の人ではなかったハズ。