シネマスナイパーF

ミスター・ガラスのシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
-
シャマラン監督の信念に震える
信念に対する信念
そして、今作のタイトルがガラスであることは、シャマラン監督の「痛み」に対する価値観を相対化している

驚異と自分との表裏一体の関係というものをそのまま軸に、「痛み」に見出した価値を信じる物語
前二作品それぞれの中で置かれた関係の裏表の境界を完全に無くし、二作品の持つテーマを統合した結果生み出されたものは、流行りのクロスオーバーのエンターテインメント性と、シャマラン監督の信念
この作品を説明するには、信念の一言に尽きる

スーパーヒーロー映画は彼らを信じていないと成立しないという評がありますが、この作品は作品内で彼等を信じることがテーマになっていて、彼等を信じることで「痛み」に力そして価値があるということを信じることができるという「痛み」を持つ者たちの肯定と証明を語った
物語そのものが信念に支配されていて、その物語を作った上の次元に、このテーマそのものを信じているシャマラン監督の強い信念がある
戦うことに強い意味をきちんと持たせているところも熱いところで、この物語を創り出さなければならないという使命感、気概の溢れる文句なしの大傑作と呼ぶに相応しい素晴らしい映画
誰が何と言おうと、自分の力を信じろ

伏線の張り方等も文句なし
昨今のクロスオーバースーパーヒーロームービー流行りの中にこんな入魂の一作を投じるシャマラン監督の映画作家としての存在意義に異論を唱えられない
シャマランis神

てかなんでパンフレット作らなかった