下衆、下品、低俗、最低
いきなり勢いよくブチかましてくる冒頭から、これは観る人を選ぶ作品だなあ、と思って観ていました
バイオレンス・ラブ・ファンタジー、まさにそんな感じで、エロもグロもメロドラマもアニメーションも入り乱れ、やりたい事を全部詰め込んだ感はいっぱい
最低のクズ共が画面を蹂躙する中盤までの展開にはノレましたし、好みでした
ただ、徐々にストーリー自体はベタベタに甘く切なくなっていきます
確かに、どんなに足掻いても底辺でしか生きられない社会から見捨てられてしまった人々や社会からはみ出してしまうマイノリティーの人々の苦悩や葛藤はわかりますし、クズの中にもヒエラルキーがあったり、ただ生きたいと願うだけなのに堕ちていかざるを得ない人々の絶望のようなものも伝わりました
途中、「ひょっとして、このベタさ加減も狙いで、観客はおちょくられているのかな?」と疑ってしまいましたが、どうやらストレートに受け取って良いメッセージだったようです
ラストのラストに、挑発的なというか、ユーモアを込めたシーンを持ってきただけに、中盤から終盤にかけても、ベタにまとまり過ぎず、もうちょっと破天荒に暴れてくれる部分があっても良かったのかなあ、という気がしています
ベタではありますが、なかなか色々と考えさせられる映画ではあるし、好きなところ、面白いところも多かったです
もっと枠からはみ出した作品を観てみたいです