エイデン

マイティ・ソー バトルロイヤルのエイデンのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

炎と悪魔の国“ムスペルヘイム”
“アスガルド”の王オーディンの息子ソー・オーディンソンは“アベンジャーズ”を離れ、各地に散らばっているとされる強力な力を持つ宝石“インフィニティ・ストーン”を探し歩いていた
その一環としてムスペルヘイムへやって来ていたソーは、炎の巨人スルトに捕まってしまう
スルトは50万年前オーディンに倒されたはずだが生き延びており、アスガルドへの復讐の機会を窺っていたのだ
アスガルドに保管される“永久なる炎”に王冠を入れれば、たちまち本来の力を取り戻し、予言にあるアスガルドの崩壊“ラグナロク”を起こすと豪語するスルトは、オーディンもソーも不在である今が好機だと言う
しかし反撃に出たソーによってスルトは倒され、ソーはスルトの王冠を奪い、虹の橋“ビフレスト”によってアスガルドへと帰還
ところが、そこにいたのはビフレストの門番ヘイムダルではなく、スカージという不真面目な戦士だった
ソーが不在の間にヘイムダルは義務を果たさず反逆罪で捕まり、裁判前に逃げ出して逃亡の身だと言う
不審に思いながら王宮へ戻ったソーが見たのは、ソーの弟で裏切りの果てに死んだロキの銅像や、彼が“ダークエルフ”との戦いで死んだ勇姿を描いた芝居だった
ソーはそこにいたオーディンにスルトの王冠を預け、毎晩アスガルドが崩壊する夢を見ることを明かす
しかしオーディンのおかしな様子に気付いたソーは、彼の正体が密かに生き延び魔法を使って変身していたロキであると見破る
オーディンを殺したのかと詰め寄るソーに対し、ロキは父の場所に連れて行くと観念する
2人がやって来たのは、ニューヨークにある老人ホームだった
しかし肝心の老人ホームは取り壊されており、ロキもオーディンの行方がわからなくなってしまう
2人が途方に暮れていると、突然ロキの脚元にゲートが出現し、落ちるようにどこかへ消えてしまうのだった
ソーはその場に残されていた紙に住所が書かれていることに気付き、その場所“サンクタム・サンクトラム”に向かう
彼の前に現れたのは、“至高の魔術師(ソーサラー・スプリーム)”、スティーヴン・ストレンジ(“ドクター・ストレンジ”)だった
彼は地球の平和のため監視の目を張り巡らせており、ロキが再び地球にやって来たことを知って姿を見せたのだった
ストレンジはオーディンさえ見つければロキも連れ帰るというソーの申し出を受け、密かに匿っていたオーディンが住まうノルウェーへとソーとロキを移動させる
再会したオーディンは既に自らの死期を悟っており、唯一の懸念だというラグナロクを起こしかねない存在 死の女神ヘラについて語る
ヘラは全てを破壊する力を持つ、ソーの姉だった
アスガルドから力を吸い上げ、無敵の力を得るという彼女は、その危険性からオーディンによって封じ込められていたが、その命が尽きる今ついに復活を果たすのだと言う
ソーとロキに、2人で立ち向かうよう伝えたオーディンは、そのまま消滅して死を迎えてしまうのだった
そして直後 その言葉通り、2人の前に復活したヘラが現れ・・・



マーベル・シネマティック・ユニバース17作目

『キャプテン・アメリカ シビル・ウォー』に参戦していなかったソー、“ハルク”ことブルース・バナー博士がチームアップ
かつてない強敵ヘラによって滅亡の危機に陥ったアスガルドや、“グランドマスター”に支配された惑星“サカール”を舞台に戦いと冒険を繰り広げる

インディーズで活躍した監督を迎えて、その監督の色を前面に出す近年のシリーズ傾向にならい、『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』のタイカ・ワイティティが、緊迫したカタルシスと緩いコメディの同居を果たした、『マイティ・ソー』シリーズとしてもかなり雰囲気の異なった作風が見どころ
コメディ担当と化したキャラクター達のゆるい掛け合いが楽しい
大体ツッコミどころの多いキャラばかりなので、かつてのヴィランだったロキがツッコミに回る異常事態まで発生しているレベル

一方でメリハリははっきりしていて、メインヴィランのヘラが笑えないほどヤバいキャラになっているので、否応無く登場すると画面が締まり、シリアスなシーンは相対的にソーもカッコ良くなる仕様
ヘラを演じるのもケイト・ブランシェットで迫力しかなく、ついでに日本語吹き替えもハマり役な天海祐希なので必見だぞ

アベンジャーズから離れ、父オーディンと英雄の証“ムジョルニア”を失い、王として治めるはずのアスガルドからも追われてしまう
何もかもを失ったソーは何者なのか、そのアイデンティティを問い、成長する物語の構成は『アイアンマン3』にも似るけど、個性もしっかり溢れてて面白い

コメディ要素のオンオフを巧みに切り替えて引っ張っていく展開も観やすいし、ラストのアガり具合も最高
ソーの魅力を更に引き出した良い作品なので観ましょう
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