ベルサイユ製麺

ギフテッド フリムンと乳売り女のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

2.8
同タイトルの話題作がありますが、こちらは正真正銘のどインディ作品。タッチ的にはインディというよりアマチュアといった方が相応しいかも…。でもまあ、シャマランにもスピルバーグにもグレートなアマチュア時代があった訳ですよ!

沖縄。
SAPPUUKEIな部屋で暮らす若いカップル。
美しい女の名はエツコ。身寄りが無い。おっパブ(って言うんだもん。何の事かよく知りません☆)勤務で、タフなカッコいい人。口癖のように「父は居なくて乳を売る」と道化る。
ナイーブそうなイケメンはハヤト。無根拠な自信家。冷淡で、滔々と由無し事を話し続ける。
二人は昔からの腐れ縁。基本的にハヤトが上位に立ち(おっパブに沈めたのもコイツ)、時にトゲトゲしくいがみ合うが、二人にしか理解し得ない絆で繋がっている。
ハヤトは仲間からの儲け話に乗ってブルドッグのブリーダーを始めた。今はブルドッグの事で頭がいっぱい。何よりもブルドッグの事が大事だと公言して憚らない有様。
…それにしても、沖縄だ。海も、郷土料理も映らないけど、沖縄人の目を通して見える、あまりにも、な沖縄。…行った事無いけど。

全体的にベターっとした、モロにビデオな撮影や、フィールドレコーディングみたいな録音(犬がハアハアうるさい!)に萎えるのは事実なんですけど、脚本、というか台詞が面白いです。述べつ幕なくボソボソ喋るハヤトがまるで新井英樹の漫画の登場人物!正直このキャラクターの魅力が全体の11割ぐらいで、ストーリーそのものは余り頭に入らなかったかな…。
信仰宗教だとか、血の繋がりだとか、政治的なサジェスチョンもちょい匂わせたりと、でも盛り込み過ぎの未消化で、メッセージを汲み取りにくいのです。技術的、というか環境面での至らなさは看過出来ないレベルで(個人的には劇伴は無い方がマシだと思いました…)、コレを監督のせいと言い切るのは酷だと思います。でも、動的な演技の稚拙さは観てられないほどでした。
タイトルの『ギフテッド』。劇中、セリフにいきなり放り込まれるのですが、正直全く意味不明でした。あと、エンディング曲を麦(ネコ)という方(?)が歌っているみたいなのですが、コレも何のことやら?沖縄の方なら分かるのだろうか?
本数を重ねて洗練されていけば…とか思ったものの、既に今作で七本目だそうで。あー、でも、嫌いでは無い!沖縄ですよ、沖縄!あの、満島ひかり様を生んだ土地であります!これはもう、今後の活動も期待するしかねぇ!(誰の?)