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バーフバリ 王の凱旋のみかんのレビュー・感想・評価

バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)
4.0
伝説誕生の続編にあたる本作。

叙事詩ファンタジーアクション!!
バーフバリシリーズは「ラーマーヤナ」とともにインドの二大叙事詩と称される「マハーバーラタ」から強いインスピレーションを受けて制作されたという。
この二大叙事詩は世界史でもちらっと習った記憶。懐かしい。
「マハーバーラタ」は主人公のパーンダヴァ五兄弟とカウラヴァ百兄弟の王位を巡る対立が軸になっているし、まさに本作と重なります。
シヴァ神をはじめ様々なインド神話モチーフが散りばめられていて、私は知識深くないですが、知れば知るほど神話学からアプローチされた魅力にも気づけると思います。
ちなみに、「RRR」の主人公二人も実在する革命家がモデルである一方で、ラーマは「ラーマーヤナ」のラーマ王子、ビームは「マハーバーラタ」の五兄弟の次男ビーマのイメージも重ね合わせてる。シータはラーマの妻。
調べだすと勉強になって面白いです!

古代インドの世界観や、登場人物たちの分かりやすい大仰な感情表現が相まって、ひと昔前の作品見てるみたいなレトロな雰囲気がいい味だしてます!
あと、色使いもとってもいい!
お城が砂色や黄金、白色だったりするから、衣装のオレンジやピンク、森の緑が際立って鮮やか。
インドのエキゾチックな雰囲気がたまらんです!

本作も大半がシヴドゥの父アマレンドの英雄伝で、もしかして主人公はシヴドゥじゃなくアマレンドラなんかなって途中まで思ってたけど、ラストで親子二代に渡る因縁の決着をつける戦いを見たら、この親子二人で主人公なんだなってやっと気づいた。
ラストの戦いは、伝説誕生よりこの王の凱旋のほうが好きでした。
相変わらず人間やめてる主人公に笑ってしまう。
個人的ハイライトは、ラスト10分あたりのシヴドゥとバラーラデーヴァの槍同士のぶつかり合いのシーン!
たまらなくかっこいい!!!
ここ、切り取ってポスターにしたいくらいの名シーンと思った。

アマレンドラとデーヴァセーナが弓で戦う最高にカッコいいシーン!!
彼らの弓は無限なんかな笑。
気づいたら弓増えてるし。
これは「RRR」でも思ったけど。
ラーマの弓は無尽の矢筒らしいし、これも神話を意識してるのかも。

「国の威光を示すのは王座でも黄金像でもなく、徳のある治世」っていう、この作品を表しているようなデーヴァセーナの台詞がすごく良かった。
あと、キャラクターとしては、個人的にはちょっと頼りないクマラが好きでした。あんなことになって悲しいけど。。。

実の息子の処刑を命じるシヴァガミ、王家の総意と言ってアマレンドラを手にかけたカッタッパが許される流れは私にはよく理解できなかったけど、簡単にバラーラデーヴァを信じてアマレンドラを自分で手にかけといて悲しまれても同情はできないな。。。執念は凄いけど。
暴君バラーラデーヴァのほうが悪に徹してしていて分かりやすく、敵役として輝いてました。
あと、アヴァンティカの活躍が思ったより全然なかったのは残念でした。

本作はLOTRのインド版って感じ。
王の帰還ってのもLOTRに通ずるものがあるよなぁ。
それくらい、かなり見ごたえのあるシリーズでした。
ラストシーンのS.S.ラージャマウリ印みたいなのは「RRR」でもあったけど、これ毎度おなじみなんかな。

次はマガディーラも見たい!
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