怖い話聞かせて！

何度寝かしつけても「怖い話聞かせて！」とねだってくるブライアンくんに、マイクおじさんが聞かせた3つのお話をオムニバスとして組み立てたベッドタイムストーリーならぬデッドタイムストーリー。

「やっと寝た…」と思ってエロ番組を見ようと一階に降りるたびに叫び声を上げ怖い話を聞かせろと喚くブライアンくんのワガママっぷりにマイクおじさんか可哀想になってくる子供怖い系ホラー（大嘘）です。


1話目
貧困のために2人の魔女に買われて召使いになったピーターくん。魔女たちは死んだ妹を生き返らせようとしている様子。動物とか植物とか材料の調達を手伝っていると、若い女を連れて来いと命令されてしまい…。

人を殺めることに抵抗のある善良なピーターくんが、捕まった若い女と脱出を図るという人生を決定づける選択をすることで一皮剥ける成長譚。のほほんと進んでいく物語に気を抜いていると、クライマックスの怒涛のグロ描写に度肝を抜かれること間違いなしな楽しい短編。真っ黒な心臓から無数の触手が現れ、骨を覆い隠していくことで受肉するという復活のグロテスク。フェイスハガーのような飛びかかる心臓。やたらとバッドエンドを望むブライアン少年の無邪気さも楽しい。


2話目
お婆ちゃんのためにお薬を買いに来たレイチェル。でも薬局の店員は怪しげな男と怪しげな会話をしていた。とりあえずいつも通り必要な薬を買ったけど、渡されたのは怪しげな男に手渡されるはずのクスリだった…。

クスリを買ったはずがババア用のわけわからん薬を掴まされてブチ切れた怪しげな男さんがババアとレイチェルにクスリを取り返そうと襲いかかる変化球赤ずきんちゃん。というのも男さんは狼男。クスリがないと変身しちゃうので必死。その必死な狼男さんと、彼氏と一発かまそうとしてるドキドキレイチェルさんを交互に映すもんだから2人の温度差が笑える。そしてラストはしっかり赤ずきんちゃん。


3話目
精神病棟から抜け出した息を吸うように犯罪をする極悪一家は、空き家になってるアミティヴィルのお家へ。でもお家には先客が。その先客は8歳の頃から14人を殺害した、こちらも息を吸うように人を殺す極悪サイキック少女だった…。

最近見た変化球な屋敷ホラー『呪われた家』の元ネタなのではないかと思われる、おバカでほっこりするハートフルキチ◯イコメディ。極悪と極悪の出会いによる化学反応が何ともアホらしいお花畑な空気感を生み出していて、必死に彼らを退治しようとする警官たちとの温度差がこれまた楽しい。警官は警官で極悪一家と極悪サイキック少女でそれぞれ担当が違ってて揉めてるのも笑える。


センスがあるのかないのかわからないけど、最後まで気の抜けまくったアホらしさが楽しいオムニバスでした。

• #ホラー映画と怖い映画

御伽噺って本当はキモいんだね。


３編のホラーコメディからなるオムニバス映画です。

昔、テレビでやっていた怖い映画をチョロチョロと紹介する特番で、天井の怪物が降りてくるカットだけを紹介していて、それが印象深く、記憶に残っていた作品。
中身がちっとも分からなかったので、この度発売されたブルーレイ版を購入して、何十年ぶりにやっとこさ内容を知った次第。

夜、家で留守番をしている少年とその叔父さん。
なかなか寝付けない少年が「叔父さん、お話をきかせてよ」とせがむので、仕方なくポルノ番組を観たいのを我慢した叔父さんは、俺ジナルにアレンジした童話をきかせてあげるのでした。


第1話「魔女の姉妹と奴隷青年」

あまりにも貧乏な為、魔女の姉妹の元へ売り飛ばされた青年。
魔女姉妹は行方不明の三女をさがすために、青年に命じて牧師を連れて来させます。
三女がいる場所を知るには、牧師の持つ「聖なるもの」が必須だったのです。
魔女たちは牧師に、自分たちが絶世の美女だと思わせる幻覚を見せ、隙をついて牧師の腕をチョンパします。
そう、必要なのは牧師の腕だったのです。
それをみていた青年は恐れおののきますが、次の指令が下ります。
三女を骨から復活させるのに必要な処女の生贄を連れてこいと言うのです。
青年は仕方なく、森に住む美しい少女を騙します。
しかし、少女に恋をしてしまった青年は・・・

三女が骨から蘇る特撮シーンが見どころ。
だんだんと内臓が骸骨におさまって、肉が覆ってゆきます。
目玉が、ぐりんとせり上がってきて睨むところはキモくて良いですね〜。
オチがつまらないので、おとなしく聴いていた少年も「もっと怖いのがいい」と文句をつけます（苦笑）


第2話「赤ずきんちゃんのドキドキ初体験♡」

赤いウェアでジョギングに励む女子高生。
お母さんに、「お婆ちゃんの薬を届けてあげて」と頼まれます。
彼女が薬屋に行くと、そこには嫌に軽い感じの先客が。
店主は、お婆ちゃんの薬と間違えて、先客の男が使う「特殊な薬」を彼女に渡してしまいます。
それに気づき、あとを追う男。
実は男には薬で抑えている、ある発作症状があるのですが、それは恐ろしい姿に男を変えてしまうものでした。
一方、何も知らない主人公は、あまりイケてないルックスの彼氏と密会、ついに処女を捧げます。
「何も変わってないわ・・・」
呟く彼女。
遅くなってしまったので、お婆ちゃんの家に急ぎます。
しかし、到着してもお婆ちゃんの姿が見当たりません。
はたして、孫がセックスに勤しんでいる間に、お婆ちゃんの身に何が起きたというのでしょうか・・・？！

まず、始まると延々と主人公が裸になって（肝心の部分は全然映しませんので健全なものです）自分のボディをチェックしますが、これは監督によればプロデューサーの「もっとエロくしろ」という指示に従ったからみたいです。
オッパイNGの女優さんらしく、だったら別にエロくしなくても良かったような気もしますが、そこはエクスプロイテーション映画の宿命ってやつですな。
無理やり最後に赤ずきんちゃんぽくなりますが、どこか投げやりなのは叔父さんがリアルタイムで作りながら話しているからなのでしょうか。
大変だよね、寝かしつけも（汗）


第3話「危ない連中と死体がいっぱい」

危険人物ばかりを集めた精神医療施設を脱走した犯罪ファミリーのベア一家。
逃走途中にも銀行強盗をやらかしたりしながら、昔住んでいた家に向かいます。
しかし、そこには空き家なのをいいことに、やはり指名手配されている殺人少女ゴルディロックスが潜んでいたのです。
なんと超能力をもつロックスは、男を捕まえてきては殺していましたが、やってきたベア一家の頭のおかしい息子とめでたく両想いになります（早えな！）。
彼らは仲良くピザを食べに出かけますが、そうとは知らずに逮捕しにきた警官隊が家を襲撃！
それをニュースで呑気に観ながら、ベア一家とロックスは和気あいあいと去って行くのでした。

ベースとなっているのはイギリスの童話「3匹のクマ」なのですが、この童話は知りませんでした。
日本でも有名なのかな？？
超能力少女が最強で、超能力を使うときに「奥様は魔女」みたいなピピピピピ〜♪という効果音がいちいち入ります。
シャワーシーンもあって、オッパイも見せてくれますよ。
性格は破綻していますが、なかなか可愛い。
正体を知らなければ、あの息子でなくてもオッパイ見た途端に惚れるかもしれません。
ベア一家の息子に襲いかかられて運命の恋を感じるところからして狂っていますが、この息子がチョンパした死体の指を引っこ抜きながら「愛してる〜、愛してない〜、愛してる〜」と興じるシーンが最高にバカで笑えました。
ふつうに花びらでやれよ！
ちなみに、ベア一家の母親役は「イコライザー」シリーズのメリッサ・レオだったりします。


いかにも80年代バリバリでポップロックな主題歌がキャッチーで格好いいですね〜♪
ゴア描写は控えめなので、派手なホラーを期待すると肩透かしをくらいますが、気軽なホラーコメディを観たい時には丁度良いかと思います。

1話目は、本来はもっとホラー要素の濃い長編のつもりで製作されていたのを改変して使ったみたいで、映像特典にオリジナル版が収録されていました（でも、いきなりバッサリと終わるので途中までしか完成していなかったのでしょうか？）。
たしかに8割方は同じ場面で同じセリフでしたが、より暗い雰囲気に重々しい音楽も相まって、全く違うテイストでしたね。

2話目は主人公のルックスがなかなかだったのが幸いでしたが、正直あまり面白くなかったです。
特殊メイクもイケてないし、もう少しグロくても良かったのではなかろうか。
オチもパンチ力に欠けましたね。

3話目は一番楽しめました。
完全にナンセンスコメディ。
キャラクターも狂ってて最高だし、警官たちも安定のバカさ加減で勝手にやってろって感じです。
どうせならもっとグロさを加味してくれれば尚一層輝いたのではないかと思うのですが、死体はたくさん出てきてくれました。

どれもこれも、女子の80年代なルックスが合格点。
1話目の生贄女子なんて不自然なほど胸元強調で素晴らしいが・・・
でもまぁ、わざわざ購入するほどの作品かと問われると・・・むむむ、と考えてしまう程度ではありました。
あの時代のユルさがお好きな方にオススメ致します。


セル・ブルーレイにて

• #オムニバス映画
• #ホラー
• #コメディ
• #魔女
• #狼
• #超能力
• #アホっぽい

チープな映画かと思いきや、意外とグロシーンなどの映像はしっかりしてる。
映像がキレイな「クリープショー」って感じ。
80年代前半とかにこのクオリティで出てたらもっと評価されてたかも。
ストーリーは子供向けだがお色気シーンは結構エロい。別に面白くはない。

ストーリー　8
映像　12
演技　8
また見たい度　5
その他　10

計43