ニトー

ヴェノムのニトーのレビュー・感想・評価

ヴェノム(2018年製作の映画)
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「トム・ハーディのアイドル映画:監督・脚本マイケル・ベイ」
いや本当に、展開の雑さとか爆発とかスローとか何やってるのかわかりづらい戦闘シーンとか。どこのトランスフォーマーですか、というところ。

いきなり余談なんですが、トラヴィス・ナイトの「バンブルビー」の予告編で一作目「トランスフォーマー」のバリケードvsバンブルビーの発電所バトルのオマージュと思われるシーンがあったのですが、ここまで差がはっきりでると当て付けとも思えてくるほどでした。



で、「ヴェノム」について。

原作ファンじゃなくても物足りなさを感じる人は一定数いると思われる出来栄えでございましょうが、むしろMCUではここまで一点突破型の映画はできないでしょうから、そういう意味ではまた異なった魅力があって面白いと思います。一点突破、とは。要するにトムハwithヴェノム萌え特化。少なくともトム・ハーディが好きな人は観て損なし。

演技力は評価されつつも↓こんな感じでご尊顔が覆われていることをいつもネタにされており、この記事においては「ヴェノム」でも同じ感じに扱われているように思いがちですが、むしろ本編は顔出ずっぱりです。やったねトムちゃん!
www.scoopwhoop.com



個人的にはむしろヴェノムに完全変身せず部分変化させつつトムハの顔を露出させ続けてくれたらな、と。それくらいトムハのわちゃわちゃが楽しい。レストランのところとか、水槽への入り方がダチョウ倶楽部的で笑えますし。
監督も「ゾンビランド」のルーベン・フライシャーですから、バイクチェイス前後のトムハの変顔・奇行はやはり面白いですしね。基本的にヴェノムシンビオート周りは犬のくだりも含めて笑えるので、コメディとして観つつトムハに萌えつつヴェノ×エディに惑溺するのが一番正しい姿勢です。肝心のヴェノ×エディの関係性構築の描き込みが浅かったりヴェノムがいきなり良い奴っぽくなっているのが謎だったりするのですが、そこはまあ宿主のエディの正義に寄生した側のヴェノムが影響されてしまったとかで(だとしてもトムハは正義に燃える男っていう感じしませんでしたが)おもねることにすれば万事解決です。

だからアクションを期待して行くとがっかりしますよ。ヴェノムフルアーマー状態のときとか割と本当に何やってるかわからない部分ありますし、特にライオットとの戦闘は流体的なシンビオートの特性も相まって本当にわからんです。上で出したようにバリケードvsバンブルビー並み。

ドローン爆撃のバカっぽさとかもすごいベイイズムを感じるんですが、どことなくあのバイクと爆発の手触りがすごく日本特撮ぽくあって結構好きだったり。

スーパーマンネタぶっこんだり、edのロールシャッハ模様とかすごいDCへの言及があるのがくすっときたり(ロールシャッハは100割私のこじつけですが)


クレジットの後にカーネイジへの布石を置いたり、「スパイダーバース」の本編映像っぽいのを流したり、映画本編意外での情報量が多かったりもしますが、そのへんはもう仕方ないでしょう。

アクション映画ヒーロー映画としてはポンコツですが、コメディトムハアイドル映画として観れば全然アリなので、むしろヒーロー映画に食傷気味な人の方が楽しめるのでは。
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