誰か一人への愛のために生きることを「自分のために生きられない」と解釈している男が嫌だった。キム・ミニだけが綺麗だった。世界でどんなことが起きようともそれを美しいと信じている彼女の白い頬に開けられた瞳が、本当に本当にきれいだった。わたしは観てる間中、ああこれってまた貶されてるんだろうな、そういうことなんだろうなって思ってた、でも、バカじゃない彼女が本当は一番馬鹿だった。嬉しかった。くだらないの中にある、世界の一つの美しいの欠片だよ。主人公じゃない。でも神さまにお見送りをされてここに居る。ありがとうよ届け、ホン・サンス監督へ、そして何よりも、キム・ミニへ。
