海さんの映画レビュー・感想・評価

海

猫と映画と海が好き。

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ドリーマーズ(2003年製作の映画)

4.5

「街が部屋に入ってきた。」
この台詞から、目が覚めるように霧が晴れるように、夢とうつつの住人がはっきりと分けられる。瞼の裏側とその向こう側。とても切なく美しく、見事だった。

眠たい目を擦りながら見続
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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 後編 永遠の物語(2012年製作の映画)

4.5

振り向けばあなたが居た。大きく開かれた目が不安そうにわたしを見つめる。今夜、ひとの体温に色が与えられるなら、きっとその瞳の色が選ばれるでしょう。あなたはまだ何も知らない。わたしが望むあなたの未来が、ど>>続きを読む

ミッドナイト・スペシャル(2016年製作の映画)

3.9

光の子。いずれここから旅立ち、夜から出ていかなくてはいけない光の子。私の暗い夜を照らすためでなく、翳る未来を救うためでなく、君は君の光を殺してしまわぬように、光のほうへ去らなくてはいけない。
私にもし
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.1

あなたがわたしと共にあるかぎり、あなたがあなたであるかぎり、わたしはあなたを愛し続ける。憎しみの渦の中で、戦争の炎の中で、冷たい水のその中で、あなたを抱きしめて決して離さない。
わたしのこの愛が報復に
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その街のこども 劇場版(2010年製作の映画)

4.8

鳥の渡る街があります。夜になれば暗やみに包まれて、窓が灯る。眠れない夜があり、朝がくる。カーテンを開ける。誰かをつきはなし、誰かに出会う。

知らないあいだにこいぬは大きくなる。曲がり角の建物は取り壊
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セッション9(2001年製作の映画)

4.0

オレオの箱と、小さな花束は、築いてきた愛の証明だった。いつもと同じ、これからはいい方に、何もかも変わっていくはずだった。
許して欲しい。爪の間に血がこびり付いて、あの花束の行方を思い出せない、帰りたい
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アナザー プラネット(2011年製作の映画)

4.0

また時間が巡りはじめた。音が鳴りはじめた。夜が流れはじめてしまった。なぜ、なぜこんな私を街灯は見つけてしまうのだろう、なぜあの日の一瞬のあやまちは、私を見過ごしてはくれなかったのだろう。
運命も約束も
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小説家を見つけたら(2000年製作の映画)

4.3

君の身体が四季を受け止める。これから雨は数え切れないほどに降り、いくつもの春が訪れて、あふれるほどの言葉が届くだろう。いつか誰かが君に気づく時、君の中には、私はどれくらい残っているだろうか。
君の中に
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メッセージ(2016年製作の映画)

5.0

あれほどに悲しい愛の言葉はどこにもなく、あの時の私が、あなたの腕の中で見た以上に、美しい未来はどこにもない。
私が眠りに落ちる前、きっとあなたに伝えたはずの言葉。あなたが夕焼けを背負い、きっと私に伝え
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ユリゴコロ(2017年製作の映画)

3.6

守ってあげると抱きしめてもらう事も知らず、不幸の雨を受け止めてもらう事も弱さの波を堰き止めてもらう事も知らず、どうすればその手に愛情が灯っただろう。

誰かが悪いわけではないのです。平気で人を殺す心も
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エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.2

私がこの命を終え次の人生に生まれ落ちた時、その人生が映画と全く関わりのないものだったとしても、こんな映画が私の知らないところで誰かの人生を救い、誰かに光を教え、誰かの世界に愛を映し夢を点していてほしい>>続きを読む

トレイン・ミッション(2018年製作の映画)

3.9

指輪と乗車券。落とした携帯と25000ドル。フライト・ゲームに続くトレイン・ミッション。
通勤列車には100人の乗客。常連ではない見慣れない顔・通称は「プリン」。ヒントはこの二つだけ。たった一人を見つ
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四月の永い夢(2017年製作の映画)

4.4

死ぬ事は生まれる事にもどこか似ていた。春に留まらせ、そして夏を知らせた一通の手紙。
「忘れて」が「覚えていて」であるように、「嫌いだった」は「今でもまだいとおしい」なのだった。
いつか散りゆく桜のよう
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ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)

4.5

二つの心、一つの精神。
「星降る夜」、あの絵を見ると今でも不思議なほど安心する。私にとって子守唄のような一枚だった。
いつでもあの先に行ける事を、選べるという事だけが、生きる理由になる夜があった。それ
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25日・最初の日(1968年製作の映画)

3.9

苦しみの時代と、そこからの解放、革命を、美しく愛らしくどこか淋しげなアニメーションで描くユーリー・ノルシュテイン。この一本には、ユーモアと悲しみと苦しみと、そして生きていく事の幸福、尊さがぎゅっと詰ま>>続きを読む

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.4

上手に愛する事よりも、大切な事はある。愛だけじゃ生きていけないかもしれない、でも愛だけに頼って生きていくしかないひとたちも、この世界には存在する。かつてそうだったひとたちへ、今もそんなふうに生きている>>続きを読む

ミスミソウ(2017年製作の映画)

4.2

膝を折り、身体を丸める。胎児のように、あるいは春を待つあの花のように。この夢からもう覚めよう。覚めたいね。次は何も起きないように。奇跡は要らない。奇跡がないと越えられないほどの、きびしい冬なんてないよ>>続きを読む

泳ぎすぎた夜(2017年製作の映画)

4.9

雪は鳴る。愛情はそれだけで鳴る。冬には音階があり、たからくんの世界にはつかまえた先から逃げていくほどたくさんの音があそんでいる。知っていたはずの事。忘れるはずもない冬の日の温かさの事。眠っているあいだ>>続きを読む

はじまりの街(2016年製作の映画)

4.3

この距離知ってる。孤独も不安も怒りも行き場がなかった、帰る場所はいつも一つで、一人になって隠れる場所もなかった。でも、冬の布団は温かく、涙の一粒も無駄に落とす事はなく、不幸だと思った事も、あなたの事を>>続きを読む

ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)

4.5

四本指の小さないくつもの手が背中に触れて、愛の言葉を聞きたがる。愛ってどんなもの、どこにあって、どんなに特別なものなの?答えはその小さな胸の中だけにあるんだよ。どこにも行かず、どこにも行けず、ずっとず>>続きを読む

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.7

これは怖い。いろいろおかしく、可笑しさを通り越して、ホラーだった。終始漂うこの不穏な空気、何なのだろう。そういえば「籠の中の乙女」もこんな空気感だったなあ、苦手で、一回観たらもう二度といいけど、なんか>>続きを読む

東京物語(1953年製作の映画)

4.6

いつか分かる時がくる。
そうやって言われてきたいくつかの事が、確かに今その通りになり、そして多くの事が、まだ'いつか'のままここに残っている。そのうちどれくらいが、私には来ない'いつか'なんだろう。途
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話の話(1979年製作の映画)

4.7

灰色の小さな狼がこちらをじっと見つめている。本当に恐ろしいのは狼か、赤ん坊か、あるいは母の唄声か。

子守唄とはどこか悲しく、童話とはどこか恐ろしいものだ。それなのになぜ生まれて間もない赤ん坊や、言葉
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ガタカ(1997年製作の映画)

4.7

空を貫いていくロケットを見つめるアイリーン。彼女の心臓の一部はあのずっと向こう、宇宙のどこかで、今も本当に宿るべきだった身体をさがしているのかもしれない。
あなたの事をいとしいと感じるこの心に間違いは
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きっと、いい日が待っている(2016年製作の映画)

4.4

こんなものどんな結末が待っていてもいい映画と呼べるはずないわと思っていたけど、子供というのはやっぱり凄いもので、彼らが笑うたび、小さな事に感動するたびに、希望を捨てずにはいられなかったし、決して突き放>>続きを読む

時をかける少女(2006年製作の映画)

4.5

何度も何度もやり直しになった告白。一度も上手く伝えられなかった気持ち。昨日の放課後みたいにまた笑って。明日の朝みたいにまた、きみに会いたいな。野球が好き、高い高い空が好き、向日葵が咲いて、蝉が鳴いて、>>続きを読む

ワンダーストラック(2017年製作の映画)

3.7

不思議な音を立てて電気が消える。静かに訪れるはずの夜明けが音楽と共にやって来て、耳を塞ぎたくなるようなサイレンや怒鳴り声はずっと遠くにあり、それはあこがれにも近かった。

言葉は生きて、イメージを連れ
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

4.6

迷子札、小さな歯、青いあざ、ビスケット。
感情がきみに近づくたび、空気が夜に近づくたびに、まぶたの裏側にずっとあった、たった一つの願いがぽろぽろと零れる。
きみを守りたい。お兄さんの時よりもっと、僕も
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星空(2011年製作の映画)

4.3

星の降る夜、銀河を走る電車、街中に居る折り紙の動物たちも、私たちにしかきっと見えない、それ以外は何も無い約束。
目で追って、声をかけて、手を触れる。あなたは誰?と問う時に、私は誰だろうと、不思議なくら
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アスファルト(2015年製作の映画)

5.0

入ってゆけないなあと思っていたのも束の間、いつのまにかぎゅっと抱きしめられてた。そこじゃないよ、そこでもないよって、つきはなされて騙られて、最後にたどり着いた場所。
どんなに一緒に居ても、言葉や形を越
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20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

4.1

アメリカで1960年代後半から起こったフェミニズム運動。何をしなくて、何をする事が正しいのか?女性にとって、男性にとって、どう生きる事がより幸福なのか?
いい人間になってほしい。本当の私を知ってほしい
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