ラッキーのカルダモンのレビュー・感想・評価

先程、シネマカリテで見てまいりました。齢91の大往生となったハリーディーンスタントン の遺作です。こんなにも見事な花道が他にあるかというような作品。

私はまだラッキーの半分も生きていない30代後半のヒヨッコですが、リクガメが200歳まで生きると知ったラッキーも、まだまだヒヨッコだなんて思うのだろうか。毎朝のヨガや、立ち寄るカフェでのクロスワードパズル、バーでのブラッディマリー。いつものリズムの中に、そこはかとなく老いとの向き合い方を感じる。

普段は排他的で、自ら進んで接していくことはない彼が、ふと本音を吐露したり、パーティで自然と歌い出す姿に、得も言われぬ感情が湧いて、図らずも落涙。嬉し涙なのか悲し涙なのか笑い涙なのか。近所の住民たちによる控えめな優しさも沁みる。

スクリーンいっぱいのハリーディーンスタントンの微笑みが、最高な余韻を与えています。
ありがとうラッキー。RIP

• #2018映えある10本