「女王のお気に入りは誰だ?」
鬼才ヨルゴス・ランティモス監督最新作。18世紀イングランドの王室を舞台に、女王と彼女に仕える2人の女性の人間ドラマ。監督の作品は
「ロブスター」から見てるけど、今回の作品見て好みな監督だと感じた。
宮廷映画なんで静かに淡々としたモノかと思ったら、昼ドラみたいなドロドロしたポジション争いな作品だった。女ワガママ言い放題の女王、侍女でありながら実質実権を握っているサラ、没落貴族からのスタートで野心の塊なアビゲイル。ほとんどこの3人で話を回すが、三者三様曲者で見てて飽きなかった。
でも振り返ってみると、悪女と呼べるのはダントツでアビゲイルだったな。今まで見てきた中で1番魅力的なエマ・ストーンだったわ。女王に気に入られる為なら嘘泣きなんて朝飯前。挙句には殺人にまで手を出す野心ぷりは必見。
しかし演出的なモノはあまり良くない。なんかやたら長回しのシーンが多いのはオシャレ的なモノなんだろうか。テンポが良いのか悪いのか分からん。女王のアップだけを1分近く見せられても困るわ。
ラストのいかにも意味ありげなシーンも監督らしさが出てて良い。この3人のその後が気になる人は、調べたら年表があるので要チェック。歴史が苦手な人も大丈夫。監督作では断然分かりやすいと思うしオススメ。