genarowlands

ミスター・ロンリーのgenarowlandsのレビュー・感想・評価

ミスター・ロンリー(2007年製作の映画)
3.6
周りとちょっと違っていると思っているマイケル(ディエゴ・ルナ)。見えるものも感じ方も細やかで繊細。競争が嫌いで世の中の速さについていけない。そんな自分を好きになれなくてマイケル・ジャクソンのモノマネで暮らしている。同じくマリリン(サマンサ・モートン)に出会い、モノマネ芸人達の夢のようなコミュニティで暮らすことになる。

山奥の湖畔にはローマ法王(ジェームズ・フォックス)、エリザベス女王、リンカーン、マドンナ、チャップリン(ドニ・ラヴァン)、ジェイムス・ディーン、赤ずきん、サミーデイビス・ジュニア等の多彩な芸人が成りきって暮らしていた。

美しい風景の中の古城。白昼夢のようであり、優しい時間。他人に成りきっても得られないものがあることに気づくけど、成りきりの自分も否定しない。

誰の価値観も存在もジャッジしなくて、そのまま全部を受け止めている作品。悲しくて優しい。

ヘルツォーク、カラックス監督が特別主演している。
ヘルツォーク監督が神父として、シスター達にスカイダイビングの奇跡を煽るエピソードは見もの。
レオス・カラックスはマイケルの辛口の叔父さん役。

ディエゴ・ルナが髪伸ばしてメイクして帽子を被っている姿が、日本のある芸人さんと重なった。顔立ち、話し方、話す内容、佇まい、髪型、服装、演技、全てが似ている。ディエゴ・ルナ演じるマイケルへのリスペクトなのかもとちらっと思った。

音楽の選択も、映像もセンスよかった。
genarowlands

genarowlands