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チャーリーズ・エンジェルのalmosteverydayのレビュー・感想・評価

チャーリーズ・エンジェル(2019年製作の映画)
3.5
もうね、めちゃくちゃ元気出るやつ。いろんな場面で拳を突き上げ快哉を叫びたくなる娯楽作でした。

MIT卒の凄腕エンジニアにして自社の悪だくみを内部告発したばっかりに命を狙われる羽目になるナオミ・スコット、困り顔で大抵いつもアワアワしてるにもかかわらずここぞの場面で肝が据わるのめっちゃ良い。冒頭からいきなりフェロモンむんむんの色仕掛けをキメて見せるクリステン・スチュワート、去り際に颯爽とウィッグを外して快活なショートヘアに早変わりした時点で既に眼福だったしその後のめくるめくお召し替えも最高でした。他の二人より文字どおり頭ひとつ飛び抜けてる長身のエラ・バリンスカは身体能力が桁違い、長い手足と身のこなしがことごとく美しい。そして、仲間のピンチで心底辛そうに声をふりしぼって泣く場面にものすごくグッと来ました…。それまでの描写が冷静沈着な完璧主義だったもんでなおさら胸に迫るものがありましたよね。

というわけで、主要キャスト3人はそれぞれとっても魅力的だったのだけど、終わってみれば「悪いのはいつだって男、何もかも男のせい」と言わんばかりの脚本は少々紋切り型に過ぎるのでは…?という気がしました。このご時世、少なくとも「女の敵は女」といった悪しきステレオタイプがもてはやされるターンではないはずなんですけど、さっさと死んで退場させられるのも色仕掛けでやり込められるのもアクションシーンで懲らしめられるのも全部男ってのはさすがに捻りがなさすぎやしないか、と思うわけです。

03年のフルスロットルが今となってはもはや敵役デミ・ムーアの怪演しか思い出せなくなっている点を踏まえると、エンジェルの脅威となりうる強い女がどこかに存在していて欲しかった、と思わずにいられません。あの終わりかただとそのうち続編もあるでしょうから(興行成績次第かもしれませんが)その辺期待しておきたいところです。
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