パケ猫パケたん

JUNK HEADのパケ猫パケたんのレビュー・感想・評価

JUNK HEAD(2017年製作の映画)
3.5
掘貴秀監督による、ストップモーション・アニメーションの力作。ほぼ一人で、7年間の歳月をかけて製作している。

地下世界の構想がしっかりしている印象。何語でもないウゴウゴ喋る言語は、日本を超えた、何かを求める様子でもある。

ストップモーション・アニメーションの巨匠たち、例えば、レイ・ハリーハウゼン、ヤン・シュヴァンクマイケルの労作に、匹敵するかの面白さ。

そもそも、孤独を愛して、映画製作をすると、ストップモーション・アニメーションに行き着くと思う。人間の本来的な欲求に基づく映画であろう。

造形に関して言えば、地下モンスターの肢体は、まるごと『エイリアン』(1979)のハンス・リューディ・ギーガのそれをリスペクトしている様である。また、人類の無垢な顔は、昔、NHK でやっていた、辻村ジュサブローの人形劇のそれを彷彿とさせる。

また、映画の孤独のありかたは、デヴィット・リンチ監督の『イレーザー・ヘッド』(1997)に似通っている。更に、寒々としたキッチュな味わいは、ウェス・アンダーソン監督の『犬ケ島』(2018)を想起させる。

映画を愛する、孤独を愛する者の一人としては、この力作を否定する術(すべ)は持ち合わせていない(^_-)

尚、時折出てくる、女性のプロポーションが、妙に艶やかで、女性の声もしとやかであった。

銃から滴り落ちる砂とか、どうやって撮ったのだろうか。凄し。(←中川しょこたんの声で。)