城定映画を追い求めてなんだかんだで４０本目である。よく見ているなぁと我ながら。

で後期城定は私見で見させてもらうとテーマは一定なんだよね。どの映画も権力構造とそこからの解放。それこそが城定映画のイッシューではないかと（勝手に）思っている。そう、城定映画はマルクスなんだよ、エンゲルスなんだよ、レーニンなんだよ、毛沢東なんだよ（みんな失敗したけど）。

僕らは意図している/していないにかかわらず何らかの権力に絡め取られている。そしてそこから出ることはなかなか難しいの。その一番は視線だということも城定は看破している。そう、視線（見ると見られる）によって僕らは動きが取れなくなってしまうんだ。今回では見られてしまった主人公の神崎が「見られていること」によって解放されるという逆説が面白いじゃないか。「見られていること」を意図的に行うことによって従来の権力関係を「ゆるやかに」覆す。でもそれは新たな権力関係を作るに過ぎない。常に権力関係は「どこかに」あるの。そしてそれを受け入れること。思いっきり自発的になること。いっそのこと権力関係を楽しむこと。それこそが軽やかな逃走でもないかと思ったりして（浅田彰的だなぁ）。

だからこそ城定映画は走る。走る走る走る！そこには自分の意志がある。自分の行動がある。最後の走っているシーンはべただけどジンと来る。それは僕らが「権力」から逃げられていないということ、そしてその権力に対抗したいということの表明でもあるんだ。だから見ていて「明日は頑張ろう」と言う気持ちになる。それはたいしたことでない「頑張ろう」だけどそれでも映画によって「生かされる」僕がいるんだ。

城定映画はひたすらに肯定的なんだよ。生きるということに対してね。

• #ろくと城定秀夫

見られたい
認められたい

承認欲求の塊なYouTuberは大嫌いなのに、城定ワールドだと切なくて愛しくて手を差し伸べたくなるの、なんでだろw

ラストはやっぱり笑顔で走って生きて生きて！

ん～イイ話だぁ(*´ω｀*)



エロライヴチャットをしている人妻。

旦那は会社で浮気中。

そんなある日、リスナーに身バレしたらしく、旦那にバラすぞ！と脅迫される。

そしてそのリスナーに言われるがまま、二人だけのチャットが始まった……



君は美しい

旦那がクソ野郎なんだけど、滅茶苦茶響くイイ声なのが悔しいw
声優さんみたいなイケボだった♪

空虚な日々をエロライヴチャットで癒す人妻。
そのチャットが唯一の癒しの童貞リスナー。

脅迫だとしても見られる快感。
見てもらえているという快感。

独り占めしているという快感。
支配し好きに出来るという快感。

普通ならエロクライムサスペンスみたいになりそうな展開なのだけど、それを明るく笑顔にして終わらせるのは、流石城定ですね☆

ちなみに脅迫ボイスが"ゆっくり実況"なアレなのもツボったw

たまに真似しちゃうんですよー
｢ゆっくりしていってね(棒)｣
ってヤツ( ´∀`)

江梨子(神咲詩織)は製薬会社で働く夫・誠一と二人暮らし。夫・誠一は社内不倫中で帰りの遅い日も多く、江梨子は薄々気づいていた。 
夫の浮気疑惑で悶々としていた江梨子は、自宅でチャットレィディとしてエリー(ハンドルネーム)に変身する事で、日常を忘れストレス発散する。 コスプレ女子高生、またはナースとしてエリー(江梨子)は自慢の豊乳プレイでリクエストに応えて、ファンも増え、チャットは過激なプレイで盛り上がっていた・・・。 ある日 夫・誠一は酔っ払って、部下・春山を連れて帰宅した。酔った誠一の悪ふざけで、江梨子の胸元をちらりと見てしまった春山は、見覚えがある2つのホクロを見つけた。 それはチャットで見たエリーと同じ箇所にあるホクロだった。エリーと江梨子が同じ女であることに気づいた春山は、江梨子を脅迫し、二人切りのチャットルームに誘導する。春山は、江梨子に様々なことを要求し、江梨子は自らの欲望を解放していく。
夫に相手にされていない不満を、セクシー系動画を配信するチャットルームで発散していた江梨子が、夫の同僚の春山の誘導で自分の欲望を解放させていく展開が、セクシーサスペンスふうな感じで描かれ、ネットならではの匿名性を生かしたサスペンス描写が光っている。
匿名性や自分の中から抜け出して自分の欲望に忠実な女になった江梨子のたくましさが印象的なクライマックスが、城定秀夫監督作品らしいセクシーサスペンス映画。