翼

ALONE アローンの翼のネタバレレビュー・内容・結末

ALONE アローン(2016年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

ちょっと残酷なこと言うと、地雷は爆発してももしかしたら良かったのかもしれない。
人生の其処彼処で地雷を踏み立ち尽くしてきた男が「一歩進め」と前に踏み出すことに意義があり、自由人が言っていたように爆発=不幸ではない。
この映画の設定を活かす舞台装置として、導入部の親友の功績は大きい。目の前で地雷が爆発し両脚を失い、モルヒネを打ちながらも動転し自害する。あのパニックシチュエーションなら誰しも受け入れてしまう行動も、53時間の孤独な旅の結論を見た私たちは、どんな理由であれ生きることが重要であり彼の行動が間違っていたことを暗に知る。地雷のヤバさが脳裏から離れなくなる衝撃を冒頭にぶちかまし、呪いのようにそこから動けなくさせる威力があった。

一つの命題を掲げて貫く映画って力強くて好き。
地雷を踏んで動けなくなる姿勢とプロポーズの姿勢が一緒という皮肉のエンディングも効いて、こりゃおもしれーわ!
翼