アメリカの自由は黒人の自由を剥奪した上に築かれている。今でも多くの国から自由と豊かさに憧れてこの国にやって来る人たちがいるのに、黒人たちはいまだに囚われたままでこの国から逃れる場所もない。そういう静かだけれどはっきりしたプロテストの声を聞いたと思った。
『ムーンライト』は明らかにウォンカーウァイ監督の『ブエノスアイレス』へのオマージュが捧げられていた。それ対してこちらは『花様年華』らしい、と言われて納得。内省的で抑制的な雰囲気も似ている。ウォンカーウァイ、ほんと人気ある。
アメリカの黒人社会について私は何も知らない、それは長年アメリカ映画を観てきた私たちに可視化される機会もなく、見えないパラレルワールドのように白人社会に重なって存在していたのだと思った。黒人社会を、その中の多様性を映画の中でもたくさん観てみたい。
お母さん、どこかで見たことあると思ったら、『ジェリーマグワイア』の人だった。お久しぶり！そして、アカデミー助演女優賞おめでとう！
