DAEGユキヒロTR

スリー・ビルボードのDAEGユキヒロTRのネタバレレビュー・内容・結末

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

色々あって名駅で観てきた。

悪徳警察の圧力に屈することなく娘のために自身を貫く強く戦う女性の話、かと思ったら全然違う。
違うわけでもないのだけど、チェンジリングのようなそういう話と全然違う。
何が違うって、主人公が正義の人間じゃない。
主要人物は警察署長、警官、主人公の3人。
警察側の2人に悪い部分があるのは当然として、主人公も結構な悪いことをしでかすし、芯が強いというと聞こえがいいけど、実際は頑固で身勝手で自己中心的な人間だ。
この話はどの立場の人も、悪いところがあるにもかかわらず自分には正しさ以外存在しないと思い込んでいて、それが間違っているのかも、と徐々に気づいていく話だ。
そして主人公にそれを気づかせてくれるのは主要な人物でない、小人症の男や元ダンナの彼女の天然ボケな女。
二人とも出番はそんなにないし、主人公の目を覚まさせようという意図で発言をしたりはしていないのだけど、そういうところから自身の独善さに気付かされるというレストランのシーンは本当にハッとさせられた。
完全に正しい人間も完全に悪い人間もこの世にはいないということを誰でもわかっているけど、映画の中ではいい人はいい人だし、悪い人は悪いのが普通。
それだとリアルじゃないので、いい人にも若干の落ち度があったり、悪人にも悲しい過去があったり、というのが話の深みを増してくれたりもする。
この映画はもうちょっと濃く、いいはずの人間もかなり悪く、こんなに悪いの?ていう人間も良心を取り戻す。
その踏み込んだ度合いがより現実的だし、アメリカ南部の粗野な人々の街という舞台の雰囲気が出ていてすごくリアル。

読み返すと何が言いたいのか、自分でもさっぱりわからない。
いずれちゃんとした文章にまとめたいと思う。
しないだろうけど。
DAEGユキヒロTR

DAEGユキヒロTR