すずき

ブリグズビー・ベアのすずきのレビュー・感想・評価

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)
4.4
25歳のジェームズは、両親と住んでいる。生まれてこの方、家の外に出た事はない。
外の世界は毒素に侵され、ガスマスク無しでは生きていけないのだ。
そんな彼が唯一、心の支えとしているのは、毎週届く教育番組「ブリグズリーベア」のビデオテープだ。
しかしある日、家に外の世界の人間達が来て、両親を逮捕、ジェームズも保護される。
ジェームスはその人間達から、世界の真実を知る。
大気の毒素は全て嘘、ジェームズは実は誘拐された子で、「ブリグズリーベア」は偽両親がジェームズの為だけに作っていたビデオテープだった…

これ、あんまり見てる人多くないみたいだけど面白い!
私の地域ではようやく公開だけど、多くの地域ではもう公開終了なんだね。
レンタル始まれば是非、な一本。

誘拐犯が子供を監禁するけど、その子の為にそこそこ手の込んだ着ぐるみ番組を制作していた、っていう設定も面白いし、その「ブリグズリーベア」しか知らなかった青年が外の世界を経験する、ってのも面白い。
けれど、20年以上心の支えだったブリグズリーベアを、実は嘘だったから忘れろ、とも簡単にはいかない訳で。
そのブリグズリーベアは製作者だった偽両親が逮捕されてるから、もう新作は作られない訳で。

そう聞くと、なんだかとても可哀想で、嫌なお話にも感じるかもしれない。
けれど、この映画はそんな有り触れた感動押し売りドラマではない!

まず主人公のジェームズは、そこでメソメソしたりしないし、ブリグズリーベアの新作を諦めたりもしない!
幼い所もあるけど、白痴ではなくて意外と賢い。知識が欠落してるだけで。

登場人物にそこまで嫌な人がいないのも◎
特に友人となるスペンサー、いいヤツ過ぎるでしょ。あと刑事さんも。

そんなだから、見ていて全然不快な感じにはならなかった。
かと言って、おふざけが過ぎる訳でもない、シリアスな所はシリアス。
そして最終的には優しい感動が…!
わんわん泣いちゃう感じじゃなく、優しくなれる、笑みが零れる系の感動。