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ひいくんのあるく町のmingoのレビュー・感想・評価

ひいくんのあるく町(2017年製作の映画)
4.0
「東京自転車節」でも冒頭で青柳くんにジュース奢ってくれる知的障害の方としてかなり印象深かったひぃくんに焦点が当てられた卒業制作作品。山梨県南部に位置する市川大門町の空気は空族「国道20号線」と接続し、想田和弘の傑作「港町」に似た構成で1人の主な人物から街を紐解き過去から現在に続く人の吐息を描く素晴らしい秀作。自転車節ではあまりにも強めの演出で本作の自然なカメラワークに意外性を感じたが「井戸ヲ、ホル」しかり特にロングショットに目を見張るものがある。脳梗塞を患って街の電気屋水口屋のシャッターを閉めてしまい会うことができなくなった正輝さんが花火大会で3年ぶりにひぃくんと会うときの正輝さんの崩れそうな顔やばかった…一之瀬さんは街を絵に起こし正輝さんは毎日シャッターを切ってひぃくんは毎日歩いた。変わりゆく街並みと90年代の良き古き街並み、悲観してる場合じゃない、誰よりもひぃくんは街をみている。
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