kuro

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのkuroのネタバレレビュー・内容・結末

2.7

このレビューはネタバレを含みます

イギリス版スタイリッシュ「男はつらいよ」。ダニエル・クレイグ版になってダメ度合いがマシマシになっていて,本作はそのゴール。スペクターもサフィンもボンドのためのこだわりのワナを仕掛けて,ボンドもそれにあえて立ち向かうという,ウェットでめんどくさい男達のグダグダに終止符を打ったと思ったら,最後に「ボンドは戻ってくるよ」(意訳)のテロップは興ざめだった。

惚れた女の影を引きずって,感情的に振る舞う。お約束とはいえ飲酒まみれだったり,きどった台詞回し,最後は大団円だけど,ボンド本人にはほろ苦い終わり方といったところは,車寅次郎と重なる部分が多い。

マドレーヌが話の中心で巻き込まれ系のわりに,共感も反感も同情もできなくて,かといってストーリーの都合にあわせてつくったほどひどくもなく微妙な立ち位置。彼女の出番の多さが,パロマやノーミの存在感の薄さにつながっているので不満。彼女たちのお約束的な台詞回し(Time to die)やカクテル一気飲みといった振る舞いも007らしさとはいうものの冗長に感じる。

ボンドのアストン・マーチンやオメガではなく,Qの前帆掛とサフィンの作務衣(?)はグッズで欲しいと思った。
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