鷲尾翼

007/ノー・タイム・トゥ・ダイの鷲尾翼のレビュー・感想・評価

5.0
【まとめシネマ】#637

【まとめ】
* 起承転結、全て面白い!
* 見たことないボンド、最期のボンド
* ダニエル・クレイグへの敬意

本作は2006年「カジノ・ロワイヤル」からジェームズ・ボンドを演じたダニエル・クレイグの引退作でもある。

本作は約3時間ある作品だが、その起承転結、全て面白い。

レア・セドゥ演じる前作のボンドガール、マドレーヌの回想から始まり、イタリアでエヴァ・グリーン演じるかつて愛したヴェスパーの墓を訪れたボンドだが、直後ヴェスパーの墓が爆破。ボンドはマドレーヌを疑い、イタリアの地で別れる。

そして、5年後。
ラシャーナ・リンチ演じる新しい007の登場や、キューバでの潜入ミッション、マドレーヌやクリストフ・ヴァルツ演じる前作の悪役・ブロフェルドとの再会、そしてラミ・マレック演じる悪役・サフィンの登場。

過去の作品の面影や、無駄のない展開、起承転結の巧妙で絶妙なバランスが素晴らしい。

本作のMVPは、CIAエージェントのパロマを演じたアナ・デ・アルマス だ。「007」シリーズの中でもトップクラスにキュートでセクシーな女性で、アクションも完璧。エヴァ・グリーンが好きな人は間違いなく一目惚れしてしまう。ちょい役での出演が勿体無いほど、素晴らしい逸材だ。

本作では、シリーズの中でも見たことがないボンドが楽しめる。

これまでのジェームズ・ボンドのイメージは「クールで誰もが憧れる大人スパイ」だが、本作では感情的な一面も多く、過去の栄光が歪み、憧れが消える。それを取り戻すかのように、アクションがスマートで、カッコいい。最高のガンバレルが待っている。

そして、ラストは間違いなく泣ける。
歴代のボンドの中で1番長く演じたダニエル・クレイグに敬意を込めたセリフは、彼のために用意された素晴らしい終幕だ。

彼は間違いなく、ボンド。
ジェームズ・ボンドだ。
鷲尾翼

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