FumiyaIwashina

ダ・ヴィンチ・コード エクステンデッド・エディションのFumiyaIwashinaのレビュー・感想・評価

3.7
ルーブル美術館で起きたソニエール館長の殺人事件。館長は死ぬ前にダ・ヴィンチの人体解剖図を模した姿を取ったり、フィボナッチ数列や、アナグラムなどの手がかりを残す。そこへ呼び出されたパリの学会に参加していたラングドン教授と館長の孫ソフィーは事件の背景とキリスト最大の謎を探る。
キリストが神なのか人間なのかはキリスト教の各宗派で論争になっており、オプス・デイという組織は保守派で過激なところもあるが、ローマ教皇から保護され、これまでキリストの子孫が存在する証拠を消してきた。一方、シオン修道会はかつて影で十字軍を率い、勢力の拡大を恐れた教皇から抹殺されたが、ひっそりとキリストが人間だという証拠になる彼の子孫を守り続けてきた。
かなり長い作品ではあるが、ボリューミーな内容とロン・ハワードの演出によって退屈はしない。有名な出来事や、科学と宗教の対立など、世界史の浅い知識で理解していた部分もあったが、実際の宗教団体が登場する一方、筆者の創作もてんこ盛りで、複雑な人間関係を追うのは結構大変。
だが、宗教問題に切り込む大胆さや歴史を絡めた謎解きといった醍醐味はシリーズのなかでも一番。色々と小難しいところもあるが、要するに「誰を守り、何を信じるか」自分でしっかり考えろということなのだろう。