雰囲気は『本当にあった怖い話』や『新耳袋』、さらには黒沢清映画に似ていると感じた。上記のホラーオムニバスドラマや黒沢清のホラー映画が好きな自分にとってはとても楽しめた作品。
施設に集められた男女が順番に恐怖体験を語っていく百物語スタイルで話は進む。『本当にあった怖い話』や『新耳袋』のナレーションのような低く抑揚の無い声で語られるそれぞれの恐怖体験は、よく分からないが底知れぬ怖さと面白さがある。中には本気でゾッとする瞬間があり、語り映像だけでここまでゾッとさせられるのは流石。
「目が閉じられないのは瞼が焼けているからだとわかったんです」
「押し入れ入っていたのは本当に人形だったんですか…?」
「母に似ている気がしました…」
セリフの絶妙な怖さが堪らない、もっとこの恐怖体験語りに浸っていたいと思った。ただクライマックスはもう意味不明です、なんだったんだろうかこの話は…?そしてこの映画は…?